「楽していいよ」伝えたい 一時預かり託児所利用増へ、和歌山県紀南の高校生が提案
「楽していいよ」と伝えたい―。潜在的な需要はあるはずなのに利用が伸び悩む一時預かりの託児所に、高校生が利用増に向けたアイデアを提案した。 【一時預かり専門の託児所オープン 当日予約にも対応「ほっと一息を」、和歌山・田辺市の記事はこちら】 和歌山県紀南地方の高校生が、地元企業と交流しながら将来を考える研修事業「スタートライン」(若年層と地域産業の相互理解実行委員会主催)の取り組み。企業と合同で、事業課題の解決に取り組んでいる。 田辺市下万呂の民間一時預かり専門の託児所「もいもい」(小山葵代表)は今年3月に開業した。課題は集客で、徐々に利用を増やしているが、まだまだ少ないという。背景には「子どもは家で育てるもの」「働きに出ていないのに預けるのは悪い」といった固定観念があるとみている。 「もいもい」とのコラボには、高校生8人が参加。このほど託児所を見学し、事業の説明を受けた後、活動拠点のトウザン荘(田辺市下屋敷町)で、2班に分かれて議論し、利用増のアイデアを小山代表にプレゼンした。 高校生が目を付けたのは「父親」。「利用チケットを父親の職場で配る」「チケットを(母親に)プレゼントできるようにする」といったアイデアがあった。 一時預かりのサービスの利用経験がないこともネックになっているとして、「ハロウィーンやクリスマスなど季節のイベントを開き、とにかく一度施設に足を運んでもらうことが重要」とも提案した。 田辺高校2年の池田朱里さんは「育休中や専業主婦など子育て世代のニーズを想像するのは難しかった。まずは託児所の安心感を伝えるため、イベントは有効。開催の際は私たちも力になれる」と強調した。 小山代表は「母親へのアプローチばかり考えていたが、父親という視点にはなるほどと思った。イベントを開きたいと思っても土日は人手不足。高校生が応援してくれるなら心強い」と話した。 今期の研修は5~10日にあり、他に観光業や製造業の事業者とも連携。15人が参加した。
紀伊民報