猿川真寿

　大きなトップを取るにはリーチが重要。猛獣軍団のエースが決めた特大の勝利は、そんな常識を打ち破るものだった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」3月15日の第2試合はBEAST Japanext・猿川真寿（連盟）が5万点超えのトップを獲得。リーチを一度もかけないレアな勝ち方で、解説者を「そんなことある！？」と驚かせた。 【映像】リーチなしでも高打点！猿川、1万8000点炸裂の一部始終 　試合は起家からKADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）、セガサミーフェニックス・醍醐大（最高位戦）、猿川、渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）の並びで始まった。東2局、松本に跳満をツモられ、猿川は2着目から追う展開。東3局の親番、配牌でドラ2枚に赤1枚という大きなチャンス手を迎えた。4巡目にドラが暗刻となりさらにパワーアップ。内川・醍醐がリーチをかけてきたが、猿川も6索をチーしてテンパイ、タンヤオ・赤2・ドラ3の親跳満だ。これを醍醐からアガって1万8000点の収入。一気に松本をかわしてトップ目に立った。 　二の矢を継いだのはまたも親番、南3局。ドラ2枚持ちの七対子をテンパイすると、ライバルが必死の応戦を見せる中で、ダマテンのままアガリ牌の9索をツモ。親満貫の加点でダントツ状態だ。同1本場は2着目内川からのリーチ。ここだけには放銃したくないという相手だが、猿川は一盃口をダマテンとすると、超危険牌のドラそば7索も勝負。解説の石橋伸洋（最高位戦）は「押すんだ！？安牌いっぱいあるのに押した！」と、猿川の攻撃麻雀に舌を巻いた。 　オーラスも猿川はドラ2の七対子をダマテン、内川から6400点をアガってゲームセットだ。仕掛けて親跳満、高い七対子はダマテンで決め、リーチなしで大トップ。個人8勝目で個人成績もようやくプラスに転じた。 　試合後は「東3局の1万8000点をアガれたのが本当に大きかった」と自ら勝因を挙げた。セミファイナルへ向け1戦も落とせない戦いが続く。試合中にチームメイトの顔が浮かぶことはあるかと問われると「それはないですね」と即答しファンの爆笑を誘った。意識するのは常にボーダー上で標的となるライバルチームだ。「最後は風林火山さんと直接対決になる。そこまで50（ポイント差）くらい、今よりもうちょっと詰めておきたい」と具体的な数字を示した上で「残り8戦、後悔のないように頑張ります」と締めた。 　淡々とした戦い振りの中にも、ライバルのリーチへ超危険牌を押すなど、見る者を熱くさせる場面があった好ゲーム。「リーチ回数0回」のスタッツを見た石橋は「そんなことある！？」とびっくり。視聴者からも「リーチ０でこの点数ドユコト！？」「モンマジ！！」「どうなってんのｗ」と驚きの声が上がった。セミファイナルへ自力突破が苦しい状況は変わらないが、Newモンキーマジック発動で得たこの勝利は、奇跡を起こすための大きな前進となった。 【第2試合結果】 1着　BEAST Japanext・猿川真寿（連盟）5万7100点/＋77.1 2着　KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）2万3700点/＋3.7 3着　渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）1万8900点/▲21.1 4着　セガサミーフェニックス・醍醐大（最高位戦）300点/▲59.7 【3月15日終了時点での成績】 1位　U-NEXT Pirates　＋511.1（88/96） 2位　赤坂ドリブンズ　＋372.9（90/96） 3位　KADOKAWAサクラナイツ　＋241.1（88/96） 4位　KONAMI麻雀格闘倶楽部　＋173.6（88/96） 5位　渋谷ABEMAS　＋25.9（90/96） 6位　EX風林火山　▲169.6（90/96） 7位　BEAST Japanext　▲274.0（88/96） 8位　セガサミーフェニックス　▲424.7（88/96） 9位　TEAM雷電　▲456.3（90/96） ※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会 ◆Mリーグ　2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合（全216試合）を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合（全30試合）を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ（16試合）に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。 （ABEMA/麻雀チャンネルより）