公設の給食センター、私立校にも提供へ 要望受け長野市が承諾 稼働にゆとり、施設を有効活用
市立小中学校の児童生徒数は減少傾向
長野市教育委員会が、4月に市内で開校する私立学校に、市の学校給食センターで調理した給食を提供する方針を固めたことが16日、分かった。私立学校側から提供の要望があり、市側が承諾。市立小中学校の児童生徒数は減少傾向で、給食センターの稼働状況にもゆとりがあることから施設の有効活用になると判断した。県教委によると、県内で同様の事例は把握していない。 【写真】4月から私立学校への給食提供を始める長野市第四学校給食センター
私立校は2校、24年度は計140人が対象
提供先は学校法人長聖(佐久市)が長野市三輪9に開校する小学校「サミットアカデミーエレメンタリースクール長野」と、中高一貫の中等教育学校「サミットアカデミーセカンダリースクール長野」。給食提供の対象は小学校と、中等教育学校のうち中学校に相当する「前期課程」。 2024年度の対象は計140人で、学校側は食材費や人件費約2100万円を負担する。
学校側「安心感は大きい」
両校の設置準備室によると、当初は自校給食も検討したが、予算や場所に課題があり断念。ただ、共働き家庭も多い中、保護者からは負担軽減のため給食提供を望む声があり、市に依頼することにした。担当者は「市の給食センターから提供を受ける安心感は大きい」としている。
稼働状況などで選定
市の学校給食センターは3施設あり、2校への提供は第四学校給食センター(村山)が担当。稼働状況や地理的な条件が理由という。同センターは1日1万2千食を調理可能だが、提供数は1万1千食余(23年5月時点)。3施設合計では、1日3万1千食に対し、提供は2万7千食余(同)。市教委保健給食課は「今後も私立校から要請があれば、センターの余力の中で対応可能か検討する」としている。 東京都多摩市では13年度から私立小学校に給食を提供。文部科学省は、同様の事例が全国でどの程度あるか「調べていない」としている。