台湾出身スター陽岱鋼の参加理由に、大卒ドラ1右腕が全球ストレート勝負に徹したワケ… 一軍の舞台で脚光を浴びた彼らの想いとは?【12球団合同トライアウト】
【NPB12球団合同トライアウト 11月14日/ZOZOマリン】 非情宣告を受けた男たちがアピールする場「NPB12球団合同トライアウト」。その中には一軍の輝く舞台で活躍した戦士たちも含まれていた。 【画像】陽岱鋼ら45人が参加!日本プロ野球12球団合同トライアウトを特集! ☆ルーキーイヤーから輝いた大卒右腕 大商大から15年のドラフト1位で広島入りした岡田明丈もそのひとりだ。ルーキーイヤーから開幕ローテーションの座を掴み、その年には4勝。翌年はチーム2位の12勝をマークしたが、その後はスランプに怪我も重なり23年オフには育成契約の憂き目にあった。しかし今シーズンは7月に支配下登録を果たし再起を図ったが、一軍登板のないまま戦力外通告を受けた。 7番手として出番の回ってきた岡田は、元日本ハム、巨人の陽岱鋼をストレートで空振り三振を奪うなど、オールストレートで打者2人を制圧。圧巻の投球を披露した。 登板後は「プロに入れたのも、まっすぐが持ち味ということでやらせていただいてたんで、ストレートが通用しなければもう今の世界ではっていうところをやっぱり考えて、しっかり最後のどこまで勝負できるかを考えてました」と全8球ストレートの真っ向勝負の理由を告白。今日の内容にも「気持ちと真っ直ぐっていうところはしっかり見せれたかな」と自己評価した。 最速149キロで陽岱鋼をねじ伏せたピッチングに「コースも高さもしっかり決めきれた。もう本当にシーズン中でもあまりないような」と満足感も口にし「もうあとは待つだけ。これ以上やることはないなっていう感じですね」と口元を緩ませた。 ☆台湾出身スターのチャレンジ 2005年にドラフト1位で日本ハム入りし、2016年に巨人に移籍。プロ通算15年で1322試合に出場し、打率.270、ホームラン105本の成績を残し、さらに北米独立リーグ、今年はNPBのファームチーム・オイシックス新潟アルビレックスに入団した37歳もトライアウトに挑んだ。 第1打席ではいい当たりのレフトフライをフェンス手前まで飛ばすも、第2打席は元広島の岡田明丈の149キロストレートに空振り三振。第3打席は前中日の福島章太からフォアボールを選ぶも、第4打席は元ヤクルトの尾仲祐哉から空振り三振を喫し、アピールの場を終えた。 その後の取材では「トライアウトが最後と聞いて、経験してみたくて参加しました。参加している選手がどんな気持ちなのか」とし、「誰でも出られるものではないので、出られることを感謝して出ました」と参加理由を明かした。 この日の内容には「安打はなかったですが、最初の当たりはいい当たりだったので良かったです」としながらも「安打が出なかったのは残念」と悔しさも滲ませた。 NPBについては「高校から福岡に来て育ててもらったので、日本には特別な思いがあり、感謝しています」と特別な感情を吐露し「返事を待つ身ですが、いい結果もあると思って、子供を学校に送りながら待ちたいです」とユーモアを交えながら吉報を待つと明言した。 華やかな世界で脚光を浴びたスターたち。彼らの挑戦はまだ、終わらない。 取材・文●萩原孝弘
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