脳に障がいあった男性が『死亡前日に自宅売却』…遺族は「契約書偽造した疑い」として不動産会社の社長を刑事告発「どう考えても腑に落ちないところが多い」
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死亡前日に自宅を売却していたことをめぐり、「契約書を偽造した」として遺族が刑事告発しました。 (柳南秀さん)「弟の無念を晴らすための手伝いをしていただきたい」 柳南秀さんは、弟の遺影を持ち、6月21日に警察に告発状を提出しました。弟の柳発秀さん(当時51)は、7年前の交通事故により、重い脳の障がいで認知機能が大きく低下。障がい者手帳の交付を受け、大阪市内の自宅で1人暮らしを続けていましたが、2022年6月に病気で亡くなりました。しかし、発秀さんが倒れていたのは自宅ではなく、別の集合住宅だったのです。 集合住宅へ転居したことを不審に思った遺族が調べてみると、発秀さんが死亡する前の日、大阪市内の不動産会社と自宅を売却する契約を結んでいたことがわかりました。さらに発秀さんの口座に入金履歴はなく、売買契約書にも直筆の署名はありませんでした。 (柳南秀さん)「(高次脳機能障害は)重要な局面での判断能力は全くないんですよ。あの状態でまともに契約できないと思います」 遺族は契約の無効を訴える裁判を起こし、大阪地裁は今年5月、「契約書は死亡後に作成された疑いが強く、意思に基づかない契約だった」として、会社側に賠償を命じる判決を言い渡しました。 そして遺族は6月21日、売買契約書を偽造した疑いがあるなどとして、不動産会社の社長を刑事告発しました。 (柳南秀さん)「どう考えても腑に落ちないところが多い。相手が刑事裁判を受けて、真っ当な判決を受けるということが、遺族の願いです」 不動産会社の社長はMBSの取材に対して、売買契約書の偽造などを否定したうえで、「発秀さんの意思通り契約した」としています。
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