キャスク保管、厳重警備 中間貯蔵施設(青森県むつ市) 核燃料搬入後、初公開
リサイクル燃料貯蔵(RFS)は3日、青森県むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設の内部を報道陣に公開した。核燃料搬入後、報道陣への現場公開は初めて。核燃料12トンが入ったキャスク(金属容器)1基が、厳重なセキュリティーの下で保管されていた。 施設は約131メートル×約62メートルで、キャスク288基を収納できる。施設に入るにあたり、本人確認が複数回行われた。顔と手のひらを認証装置に登録。ゲートを通る際に顔や手のひらを専用機器で読み取り、事前登録したものと同一人物と判断されれば先に進むことができる。機械と警備員による金属探知検査もあり、記者4人が本人確認と検査を終了するまで50分ほどかかった。防護服の着用は必要なく、ヘルメットと眼鏡を付けて入った。 キャスクは全長約5.4メートル、直径約2.5メートル、重さ約120トン。搬入口がある受け入れ区域から、圧縮空気を噴出して動くホーバークラフトのような台車で貯蔵区域へ搬送した。 貯蔵区域では、キャスクが乗った架台を10本のボルトで床に固定して保管していた。キャスクを素手で触ってみると、ほんの少し温かい。キャスク表面は20度ほど。RFSの担当者によると、キャスク内の核燃料の温度は200~300度という。水や電気を使わず、空気の自然対流でキャスクを冷やす「乾式貯蔵」を導入しており、区域内は屋外と同程度の気温で、冷たい風の流れが感じられた。 同施設は、原発の敷地外で使用済み核燃料を一時保管する国内初の施設。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)から運び出されたキャスク1基が9月26日に搬入され、検査を経て、11月6日に操業を開始した。RFSは当面の計画として2025年度に2基、26年度に5基を搬入すると公表している。