リアル動物画に関心 繊細な毛並み、一匹一匹の表情 砺波市美術館、学芸員が解説
砺波市美術館で開催されている企画展「日本画☆動物園」(富山新聞社、北國新聞社主催)のギャラリートークが26日行われた。学芸員の辻弥生子さんが、鋭敏な観察眼で描かれた作品の見どころを解説した。来館者は生命力あふれるカモシカやウマ、トラ、サル、ゾウを興味深げに見入った。 辻さんは繊細な毛並みのタヌキや、モコモコの毛をしたキツネ、一匹一匹の表情が違うサルには、リアルさがあると指摘した。ヒョウの瞳の中に桜の木が描かれているなど、じっくり眺めると面白い発見があることを紹介。来館者は絵に近寄り、動物の温かみを感じさせる筆遣いを確認した。 作家自身が飼う動物をモデルにした絵について、日本鹿を描いた「秋色」は斑点が消えかかっており、秋から冬に向かう衣替えをとらえていると指摘した。 辻さんはゾウを題材にした大作「森の家族」は、作者が密林を歩くゾウの群れに偶然出くわしたことから生まれたとして、巨大なゾウを迫力満点に描く一方で、鳥やカエルなど小さな生物が書き入れられていると説明した。「大きな森の中に、さまざまざな生命が息づいているというメッセージを感じさせてくれる」と語った。 会期は11月4日まで。入場料は800円、高校生以下・障害者(介助者1人を含む)は無料。