天皇陛下、彬子さまのご著書がベストセラーに!宮内庁に聞いてみた“印税の寄付先”
2024年、彬子さまのご著書が注目を集めた。彬子さまは女性皇族としては初めて英国の名門・オックスフォード大学で博士号を取得しており、留学記『赤と青のガウン オックスフォード留学記』(PHP研究所)を2015年に出版されていたが、それが読者による「プリンセスの日常が面白すぎる」というXへの投稿をきっかけに“バズ”り、4月に文庫化。以降、30万部を突破するベストセラーになった。 【写真あり】国賓として訪問された英国では、チャールズ国王夫妻主催の晩さん会にも臨まれた両陛下 「彬子さまのご著書は若い世代にも大きな反響を呼び、9月には『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にも出演されるなど、彬子さまのご公務や研究活動、一般社団法人『心游舎』でのご活動などがクローズアップされるきっかけにもなりました。 また2016年に出版された『京都ものがたりの道』(毎日新聞出版)も、2024年7月に新装版として刊行されています。彬子さまは研究活動の中心を京都に置かれていることから、日々の生活の中で感じられたことや、京都市内の“通り”にまつわるエピソードを綴られた内容です。こちらも、累計で10万部を超えるヒットとなっています」(皇室担当記者) さらに、2024年6月に国賓として英国を訪問された天皇陛下のご著書も、ご日程と同じ時期に関心を集めていた。陛下は、1983年から約2年間、英国のオックスフォード大学に留学され、1993年に学習院創立125周年記念の学習院教養新書として『テムズとともに』というご著書を出版されている。 古書としても価格が高騰し入手困難となっていたが、2023年に学習院創立150周年記念事業の一環として、新装版として紀伊國屋書店から出版された。 「ご著書『テムズとともに』は、2023年に新装版として復刊され、陛下があらたに後書きも書き下ろされています。復刊から一カ月で10万部を超える反響がありました。 『テムズとともに』は、オックスフォード大学での研究生活や日常生活、ご学友との交流や休日の過ごされ方などを綴られている内容でしたし、チャールズ国王との再会や、同じオックスフォード大で学ばれた雅子さまとの“再訪”が実現したということもあり、英国ご訪問に前後して部数が伸びていたようです。 またこのご著書は、チャールズ国王が巻頭に推薦文を寄せた英語版が2006年に、ポルトガル語版も2020年に出版されています」(宮内庁関係者) ■宮内庁に問い合わせると…… さて、こうした書籍を出版すると、著者に対して「印税」が出版社から支払われる。かつて美智子さまや常陸宮妃華子さまは、ふだん関わられている活動に関係した団体に寄付されていた。 「美智子さまは皇室に入られた後、絵本の執筆や翻訳を手掛けられており、国際児童図書評議会に絵本の印税の一部を寄付されています。華子さまも、英語で書かれた絵本を翻訳して出版されており、名誉総裁を務められている日本動物福祉協会に全額を寄付されています」(前出・皇室担当記者) では、陛下や彬子さまのご著書出版で発生した印税も寄付されているのだろうか。宮内庁に印税の金額と寄付先についてそれぞれ問い合わせると、次のような回答があった。まず天皇陛下の『テムズとともに』については、 「印税額については従来よりお答えしていないため回答を差し控えさせていただきます。なお、寄付先について、英語翻訳版については、英国における日本協会に対して、ポルトガル語翻訳版については、サンタ・クルス病院(※編集部註:ブラジル・サンパウロ市内にある日系人が設立に関わった病院)に対して寄付されています。(2023年に出版された新装復刊版の寄付については)現時点で具体的にお話しできることはございません」 彬子さまの『赤と青のガウン』、『京都ものがたりの道』についても尋ねたが、 「御著書に関する印税額及び寄付については、従来よりお答えしていないため回答を差し控えさせていただきます」 という回答だった。印税の取り扱いについては、皇室も一般国民と同じように課税の対象になる。 「基本的には皇室経済法で定められた支給以外のご著書の印税、講演料や株式の配当といった収入があれば、皇室の方々にも所得税の納税義務があります」(前出・皇室担当記者) 陛下と彬子さまも、印税にかかる税金を納められたうえで、ご寄付をはじめとした有意義な使い道をお考えになっているのだろう。