「そのお土産、放棄してください」 国内でも売っているのに…“海外から持ち帰るとヤバい”植物とは?
国内で売っている果実だから「大丈夫」?
白石氏は、没収される植物の内訳について、「現場感覚ではマンゴー、パパイアなどの熱帯果実が特に多い」とした上でこう説明する。 「日本にない珍しい植物をお持ちになる方もいらっしゃいますが、よく誤解をされるのは、国内のスーパー(マーケット)等で販売されている熱帯果実についてです。 国内で販売されているからこそ、持ち込んでも問題ないという認識に立たれた方が、お土産等として持ち帰られるケースが多い印象があります。 しかし、国内のスーパーで販売されているものは、特別な消毒措置を取るなど条件を付して貨物ベースで輸入されています。『日本で見たことあるから(持ち込んで)大丈夫』ではない、というのは知っておいていただきたいです」
植物を持ち帰りたい場合…
日本に持ち帰りたい植物があった場合は、植物防疫所のインターネットサイト(https://www.maff.go.jp/pps/j/search/ikuni/index.html)にアクセスしてほしい。国・地域とそこから持ち帰りたい植物名がわかれば、誰でも簡単に規制内容を調べることができる。 試しに今年のゴールデンウイークの人気旅行先1位(JTB調べ)である韓国のページを見ると、現地のなし・りんごは国内への持ち込みが“禁止”になっている。 そのほかの植物はおおよそ検査証明書が付いていれば、入国時に検査を受けて持ち帰ることができそうだ。また、マツタケであれば、証明書・検疫の必要もなく持ち帰ることができるという(※4月現在)。 万が一、持ち帰りたい植物がサイトに載っていない場合や、不明点がある場合は、「具体的にどんな植物をどこの国から持ち込みたいのか、植物防疫所に問い合わせてほしい」と白石氏。 「まれに『自分で消毒してきた』とおっしゃる方もいますが、検査の方法や消毒の要件などは輸出国と植物の組み合わせで細かく決められ、輸出国による証明が必要となるため、自分でやればいいという訳ではありません。 また、植物防疫所の所管外となりますが、希少種の動植物を守る『ワシントン条約』などの国際的なルールもあります(※)ので、植物を国内に持ち込む際は、その点もご留意いただきたいと思います」 ※サボテン、ラン、アロエなど一部の植物はワシントン条約により保護され、税関により持ち込みが制限・禁止されている。悪質な違反ケースでは密輸事案として処罰される。