入場制限がかかるほど話題の展覧会 映画のワンシーンのような実在風景に「探してみたい」
例えばこの写真のホテルは、一見美しく見えますが、窓には木が打ち付けられているのがわかります。スイスに実在するすでに使われていないホテルで氷河が見られる観光地だったそうですが、温暖化の影響で氷河が溶け、観光客が激減し、ホテルも廃業したというストーリーがあるということを解説してくれます。このように写真の背景を知ることで、旅の疑似体験ができる仕掛けが施されていました。
展示された写真の中には日本の風景も。三重県にあるナガシマスパーランドのジェットコースターやJR列車に乗る車掌、京都府の嵐山などの写真も展示され、海外の風景だけでなく、なじみのある風景を写真に収める来場客もいました。
■「次ここに行きたい!」 旅の行き先を見つけられる
実際に展覧会に来た人たちに話を聞いてみると、20代のお客さんは「作品の、世界観に入り込めたような気持ちが体験できた気がして楽しかったです。色合いに統一感があるけど、個性があるというか…そういったところが監督っぽい」と話していました。 また22歳のお客さんは、この展覧会の魅力について「“次ここに行きたいな”とか、(旅行の行き先を)見つけられるところかな。かわいいなと思った写真にドイツのものが多くて、行きたいなと思いました」と話していました。さらに23歳のお客さんは「日本でもこういう風景を探しにいきたいねっていうのを話しながら見ていました」と旅行への意欲をかき立てられていました。
■コロナ禍終息で増える旅行需要 「気分を思い出して」
学芸員の岡田由里さんは「単に作品を写真に撮ってもいいですし、作品と一緒に撮って、“ちょっと旅行に行きました”的な楽しみ方もできる。あと行ってみたいなと思った場所を写真に撮って、メモとして記録するみたいなこともできる」と、展覧会で得た情報の活用について話しました。 さらに「家にこもる生活に慣れきってしまった方もいるかもしれませんが、そういう方にもお越しいただいて、旅行に行って楽しかった気分を思い出してほしい。日常生活の中にも見え方次第で新しい発見があるんだという気付きでより実りある日常にしていただけるんじゃないか」と楽しみ方を語りました。