「学歴詐称疑惑」再燃で国政復帰が黄信号!?…本誌直撃に小池百合子・東京都知事の「ズレた返答」
“本命”が埋没している――。 人口44万人の衆院東京15区補選(16日告示、28日投開票)に作家で政治団体「ファーストの会」副代表の乙武洋匡氏(48)が出馬するも、知名度を生かし切れずに苦戦を強いられている。 【画像】直撃に「こんにちは…」ズレた回答の小池百合子東京都知事 公示日翌日の4月17日、自民党調査と目される世論調査の結果が永田町界隈で話題となった。サンプルは「4月13日・14日、1200人」で、乙武氏は8.3ポイントの4位と低迷。トップの立憲民主党の酒井菜摘氏(37)には30.9ポイントで3倍以上の差を付けられていたのだ。 公示日直前にも自民、公明、日本維新の会の3党によるものと思しき世論調査の結果が出回ったが、いずれも酒井氏がトップを独走していた。乙武氏が5位と低迷する調査もあった。酒井氏の選挙を手伝う地方議員は鼻息が荒い。 「折からの『政治とカネ』問題のおかげで“ボーナスタイム”のような状況。ビラが次々にハケています。東京15区は9人も出馬して乱戦状態ですが、野党共闘がまとまり、共産、社民の支援も得られた。乙武さんは知名度が高いので当初は警戒しましたが、いまは悪目立ちしてしまっている。ただし、酒井さんの演説は正直“並”。討論も得意ではないので、討論会にはなるべく参加せずに『政治とカネ』問題の是正を訴え続け、投票日を迎えたい」 酒井氏との差を詰めるため、小池氏は公示日の16日、乙武の応援のために二箇所の応援に入った。選挙カーに同乗し、区内を巡る力の入れようだ。都民ファーストの会(以下、都ファ)幹部が打ち明ける。 「小池さんのスイッチが完全に入った。“小池色”を前面に打ち出して、乙武氏の過去の女性問題を払拭させようとした。ところが……もうとっくに終わったと思っていた学歴詐称問題が蒸し返されてしまいました」 小池氏の学歴詐称問題を再燃させたのは、元都ファの事務総長だった小島敏郎氏(75)。月刊誌『文藝春秋』(’24年5月号)で彼が「私は学歴詐称工作に加担してしまった」と告発したのである。小島氏は環境省のキャリア官僚時代に環境大臣の小池氏を支え、「クールビズ」を推進。’17年から’21年まで都ファの事務総長を務めていた。 4月17日、外国特派員クラブで小島氏は饒舌だった。 「図らずも隠蔽工作に加担してしまった。(小池氏が)私に相談したのは本当は卒業していないからでないか。経歴詐称の時効は3年。次に立候補して選挙公報に『カイロ大学卒業』と記せば、公選法の虚偽事項公表罪にあたる。刑事告発も視野に入れている」 乙武氏の街頭演説に駆け付けた小池氏には容赦ないヤジが飛ばされていた。 「カイロ大はちゃんと卒業しているのか」「この嘘つき!」 本誌記者が「次の選挙公報でもカイロ大卒と書きますか」と小池氏を直撃すると、小池氏は笑みを浮かべて 「おーっ、こんにちは」 と、ズレた返答をするのだった。 『女帝 小池百合子』著者でノンフィクション作家の石井妙子氏が小池氏の胸内を推し量る。 「選挙前に蒸し返される取るに足らないこと、選挙妨害の一種と振る舞っています。ですが、胸内では平気なはずがない。こんなことになるとは想像していなかったのでしょう」 小池氏には野望がある。国政に復帰し、女性初の総理として名を残すことだ。だが、小池氏をよく知る自民党の閣僚経験者は「15区補選で乙武氏を勝利に導かねば、『小池さんの神通力は失われた』となり、国政への道が途絶える」と警鐘を鳴らす。 21日に投開票が行われた目黒区長選では小池氏が推した元都ファの都議が敗れ、都内首長選挙で勝利を続けた小池氏の“神通力”に陰りが見えてきた。前述の閣僚経験者が続ける。 「一方で、乙武氏の劣勢をひっくり返せば、『小池さんの人気にあやかりたい』と党内で支持する声も増えよう。公示後に公明党と“握った”のか、乙武氏の演説に学会員の女性の姿が見え始めた。小池さんも必死なのでしょう」 日本初の女性総理へ……小池氏の執念が奇跡の逆転を生むか。 取材・文:岩崎大輔
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