2024年3月期決算 「中小企業等向け貸出」 過去最高の374兆円、貸出比率 佐賀共栄銀行が95.43%でトップ
中小企業等向け貸出 佐賀共栄銀行が貸出比率95.43%でトップ
総貸出に占める中小企業等向け貸出比率は、佐賀共栄銀行が95.43%(前年94.41%)でトップだった。調査を開始した2010年以降、初めてトップになった。以下、神奈川銀行95.11%(同94.41%)、スルガ銀行93.98%(同94.71%)、南日本銀行93.68%(同93.76%)、静岡中央銀行92.18%(同94.03%)と第二地銀が多い。最低は東邦銀行の49.89%(同49.38%)で唯一、50%を下回った。 中小企業向け貸出比率の上昇は、大手行7行では2行にとどまった。一方、地方銀行は62行のうち37行(構成比59.6%)、第二地銀が37行のうち22行(同59.4%)と半数を超えた。 上場企業、大手企業への貸出が主体の大手行と、中小企業がメインの地方銀行・第二地銀で貸出比率に差が生じている。 コロナ禍からの業績回復が遅れ、過剰債務の解消も後回しの中小企業は多い。経営の問題点を把握と対応について、金融機関と企業のコミュニケーションがより重要になっている。