大学生でも意外とできない「1~100までの数の合計はいくつですか?」を一瞬で解く、超ラクな方法
「掛け算」にすることで、作業を簡略化できる
これについて詳しく説明するために、そもそもの話、「足し算」と「掛け算」について考えましょう。みなさんは、掛け算ってどんな意味を持ったものだかわかりますか? 掛け算は、実は『足し算を簡略化したもの』です。 例えば、「4人の人が3個のアメを持っている。4人合わせて何個のアメを持っていることになる?」という計算問題なら、「4人×3個」という計算式になります。 でも別にこれは「3+3+3+3」と、3個の飴を4回足しても成立しますよね。 「掛け算を使わないで計算してください」と言われても、別に計算できなくはないのです。 でも、この計算はとても面倒くさいです。この問題の場合は4人だからいいですが、「100人が3個のアメを持っている。100人合わせて何個のアメを持っていることになる?」という計算問題なら、「3+3=6」「6+3=9」……と、99回足し算しなければなりません。これって、とてつもなく面倒くさいですよね。 こんな時こそ、掛け算の出番です。「3+3+3+3+3+……+3」を、「3×100」と書くわけです。こうすることで、100回の計算を、1回の計算に置き換えることができるわけです。 算数も数学も、「この方法だと面倒だから、新たなこういう式・概念を導入しよう」という考え方をすることで、思考や計算のスピードを速くできるようにしてきた歴史があります。 「3.141592…」と考えてしまうと面倒だから、「」という記号を用いて表すようにする。 答えがわからないから「x」とか「y」とか「n」という文字を置いて計算するようにする。 このように、算数でも数学でも、より簡単に、よりわかりやすくするための方法を導入していくのが通例です。そもそも、「りんごがひとつ存在する」という概念を、「1」という数に置き換えて計算していくのが、数学の最初の一歩だったわけです。 そう考えると、算数も含めた数学という科目は、「簡略化」が本質だと言っても過言ではないのでしょう。そしてその一番典型的な例が「足し算」→「掛け算」なのだと思います。 …西岡壱誠さんの連載、つづきの<偏差値35から東大に合格した男が実践…ノートではなく「ルーズリーフ」で学習効率を上げる方法>では、勉強の効率を上げる意外な方法をお伝えします。
西岡 壱誠(株式会社カルペ・ディエム代表)