夏休み中の食を支援 小・中学生対象に米配布 区民のニーズに対応 東京都品川区
東京都品川区は、給食がない夏休み中の子どもの食を支援しようと、小中学生1人当たり2キロの米を希望する家庭に配る。対象は区内の小中学生3万人。米は、連携協定を結ぶ福井県坂井市産10トンを購入する。全区民を対象にしたアンケートで「直接的な食の支援」へのニーズが高かったため、主食の米の支援を決めた。 区は2023年から給食費を無償化している。ただ、夏休み中の対応について、区内の子ども食堂などからも課題が指摘されていて、切れ目ない食の支援につなげる狙い。 きっかけは補正予算案編成のために行った、生成人工知能(AI)のチャットGPTによる区民アンケートの分析結果だ。約10万人の自由意見650万文字を分析。頻出するワードや切迫度から要望を抽出し、「心と体の健康」に関することが多いと分かった。具体的には、「日々の生活に直結する直接的な食などの支援」「健康に良い食生活への配慮」を望む声が強かった。 米を中心とした3回の食事で規則正しい生活をし、新学期に備えてもらう。補正予算案に約830万円を計上した。 区は「食の支援を必要としているのは貧困家庭に限らない」と、所得制限を設けない。電子申請し、区内の児童センターで受け取る。支援が必要な家庭の早期発見につなげようと、あえて取りに来てもらう方式にした。 8月から配布予定。区は「食生活が乱れがちな夏休み後半にしっかりとご飯を食べて、休み明けに元気に登校してほしい」と話している。
日本農業新聞