ベーシスト&ソングライター“Ray Kondo”、シングル「サイドミラ」をデジタル・リリース
ベーシスト&ソングライターのRay Kondo(近藤零)が、11月22日(金)にシングル「サイドミラ」をデジタル・リリース。 ゆるやかな8ビートにのった、素朴でちょっとシュールなフォークロック。アートワークは今年の一連のシングルと同じく、nakabanが手がけています。 [コメント] 「サイドミラ」って何かといえば、「ミラ、再び」みたいな。これじゃわかりませんね。 名古屋の本屋さんに行く時、地下鉄の階段に鏡があって、そこには「衝突回避ミラー」と説明がついてたんです。なんだこれ? と思って、数日後に思いついたのがこの曲。 軌道という流れに乗って、毎日たくさんの人が使命や願望のために移動してる。その中にぶつかる人がいて、後から鏡を付けたんでしょう。 じゃあ鏡があれば人はぶつからないのか、そもそも壁があるから窓や鏡が必要だし、それって盾と鉾みたいなもんじゃ? …そんな連想が止まらないので、ことばの変化をたよりに、表してみました。 セロニアス・モンクのピアノフレーズみたいに、音楽でちょっとずつ景色を変えていきたいな、と思ってます。 昔観た「ムーミン」に「鏡の中のマネマネ」っていう話があって、すごく怖かったのを覚えてます。向こう側にずっと真似してる何者かがいて、吸いこまれる、っていうモチーフ。でもあれは越境への憧れだったのかもしれない。 それがデジタルでは普通のことになって、スマホのカメラはいつだってサーバーに繋がるし、SNSはすさまじい数の映像を送り込んできて、どんどん越境させられる。それに比べたら「衝突回避ミラー」なんてかわいいです。 「ミラー」を「ミラ」と縮めるとちょっと姿が変わってきて、くじら座の変光星、AIの研究機関、戦争してるどこかの国の化粧品、アナトリア半島にあるホテル。なんだかいろいろあります。未来の途中かもしれない。 壁を作っても越境しても、結局人は集団で流れていくし、争いは止まないし無常感もあるけど、最後には希望を記しました。 サウンドはガットギターが主体のゆるい8ビート、と思っていたのですが弦が切れてしまい。ナイロン弦って張り替えたら1週間ぐらいチューニングが安定しなくて、セクションごとにチューニングしたり、代わりにベースでソロとったりして、割と焦りました。 またドラムキットじゃなく、フロアタムだけを時々叩いたり、「お手玉」を握る音を録ってすごく増幅したり。それぞれの音が、真似し合って反射しています。 今回もnakabanさんのアートワークです。梯子と壁の間から、人はなにを眺めるんでしょうか。窓を、それともミラを? …さてアルバム制作も終盤になりました。これまでリリースした4曲に加えて4~5曲、どれも生楽器を主体にした、ちょっと違う日常の音楽です。どうぞお楽しみに。 ――Ray Kondo