【京阪杯回顧】トウシンマカオ、連覇達成!前後半同タイムの特殊な流れも味方した
適性がハマったトウシンマカオ
ジャパンCの衝撃から数十分。この日を締めくくる一戦、京阪杯はトウシンマカオの連覇で幕を閉じた。前走スワンSで1400mを経験し、逃げて0.7秒差の9着だったが、先手をとったことが刺激になったか、今回は特に行きっぷりがよく、枠順を利用して外からねじ伏せた。昨年は阪神での京阪杯だったが、どちらも前半がそこまで速くならない。3コーナーまでが短い阪神と、中間地点にアップダウンがある京都は飛ばしたくても飛ばせないコースレイアウトだ。今回もスタート直後、先行勢は様子をうかがっており、なにがなんでも行く構えを見せた馬はいない。ビッグシーザーが先手をとったものの、この状況ではハイペースは期待できない。前半600m33.7はスローに近く、京都芝1200mでよく見る流れに落ち着いた。 【ジャパンカップ2023 注目馬】脚質、展開問わず力を発揮、能力は断トツのNo.1! SPAIA編集部の注目馬を紹介(SPAIA) トウシンマカオは前半が速くなりすぎないスプリント戦が得意だからこそ、前走で距離延長に活路を求めた。阪神、京都での連覇はその証だろう。前半が速いと置かれてしまい、勝負所で遅れをとってしまう。今夏、北海道で連続3着だったのも、直線が短く、挽回しきれないからこそ。好走できる流れや競馬場が限られていて、分かりやすいタイプではある。
母系に入るニジンスキー
前半が速くなかったが、後半600mも11.0-11.3-11.4、33.7と速くなく、開催最終日らしい少しタフな馬場だったこともトウシンマカオに味方した。昨年は前後半600m33.3-33.9で、このぐらいの上がりの競馬は合う。兄弟には8歳時にGⅡ2着があるベステンダンクがいる。やはり少し時計がかかる馬場を得意としていた。母ユキノマーメイド、その母サスペンスクイーンと洋芝など重めの馬場に強く、トウシンマカオもこの点を受け継いだ。 父ビッグアーサーは重賞2勝がいずれも1200mで、馬券になったのは1400m以下ばかり。自身と同じスプリンターを多く出す。高松宮記念を1.06.7と当時のレコードで勝利するなど、サクラバクシンオー譲りのスピードが身上だった。母系のタフさと父の距離適性はトウシンマカオの適性そのもの。ひとつ上に行くには、ハイペースへの対応がカギになる。チャンスは前半がそこまで速くならない高松宮記念だろう。 母の父スペシャルウィークは1999年ジャパンC勝ち馬。エルコンドルパサーに勝った凱旋門賞馬モンジュー、独バーデン大賞連覇のタイガーヒルなど、豪華な外国馬が参戦していた。スペシャルウィークといえば、ニジンスキー持ちの底力型で有名だが、母ユキノマーメイドは母系にもニジンスキーの名がある。トウシンマカオもまだまだ血統的に奥がありそうだ。