親の老人ホームでトラブル発生「寂しくてイライラ、三角関係のもつれ…」原因は色々。家族は何ができる?
「人生100年時代」と言われるいま。厚生労働省が公表する「厚生労働省「令和4年版高齢社会白書」によると、健康寿命と平均寿命の差は約10年。 【男女別グラフ】健康寿命と平均寿命の差の推移を見る「元気で長寿を全うできればいいけれど…」(出所:厚生労働省「令和4年版高齢社会白書」 介護を担う家族にとっては、決して短い期間ではありませんね。そして在宅介護から施設介護への切り替えは、お金の面でも気持ちの面でも、一大決心が必要です。 そんな中、「やっとの思いで親が老人ホームに入居したのに、最近は施設との折り合いが悪くて困っている……」という悩みをお持ちのご家族もいらっしゃるのではないでしょうか。 「終の棲家」として選んだ施設を移ることは、お金の面でも気持ちの面でも、そう簡単に決断できることではありませんよね。 今回の記事では、老人ホームでトラブルが発生した場合に、家族ができることについて解説していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
老人ホームでよく起こるトラブルの原因の中には、恋愛関係のもつれも。
老人ホームでのトラブルは、様々な要因が絡み合って発生します。ここでは主な原因を紹介します。 ●寂しさや喪失感が背景にあることも 自宅や家族と離れて生活する寂しさは、大きなストレスになることがあります。このストレスがイライラなどの症状となり、他の入居者とのトラブルに発展する可能性があるのです。 また家庭や地域、会社などで重要な役割を担ってきた方が老人ホームに入居することは、社会的な役割を終えることを意味します。この喪失感は大きな心の負担となり、認知症の症状を進行させることも。 寂しさや喪失感は、周囲の人と口論になるなどのトラブル発生の原因となることもあります。 ●他の入居者とのトラブル 老人ホームは、集団生活の場です。食事やレクリエーション、イベント時には多くの人が顔を合わせ、自然に人間関係が生まれます。人間関係には相性があり、入居者同士で「合う合わない」を感じるのも当然のことです。 また入居者の中には認知症の影響を受けている方がおり、自分の言動をコントロールできず他の人々を傷つけてしまうことがあります。このように認知症の影響により、入居者間でトラブルになることがあるのです。 ●スタッフが原因のトラブル スタッフが原因となり、トラブルに発展してしまうこともあります。例えば、以下のようなケースです。 ・ お気に入りのスタッフが他の入居者とばかり仲良くしていると感じる ・自分が「のけ者」にされていると感じる ・スタッフの対応や態度が気に入らない(対応が遅い、音を立てるなど) スタッフに悪意がなくても、入居者が誤解や思い込みからスタッフへの不信感を抱いてしまうケースは少なくありません。 その結果、大きな声でスタッフに詰め寄ってしまうなどのトラブルに発展することもあります。 ●恋愛感情のもつれ 老人ホームで入居者同士の恋愛に発展するケースです。自分には恋愛感情がなくても、相手から一方的にアプローチを受けて困ってしまう場合もあります。中には、プレゼントや手紙を頻繁に送られて、迷惑に感じてしまうことも。 また恋愛関係にあった二人が別れてしまい、その後の人間関係に支障をきたすこともあります。三角関係によるトラブルなど、一般社会でみられるような問題になることもあるのです。