市外通院でタクシー代補助 茨城・鉾田市 試験運用、申請受け付け 年最大1人2万5000円
茨城県鉾田市は、市外医療機関への通院時に、市内タクシー会社を利用することで運賃の一部を助成する「市外限定デジタルタクシー利用助成事業」を試験的に開始した。利用するには事前に利用者証の交付を受ける必要があり、市はまちづくり推進課などの窓口や郵送、ウェブでの申請を受け付けている。 事業は、市内限定のデマンド型(予約制)乗り合いタクシー「ほこまる号」を補うものとして、移動需要に対応し、市民の利便性向上を図るのが狙い。対象は市内居住で、利用者証の交付を受けた人。年齢制限はない。7月から開始した。 助成額は、1回の利用につき運賃の2分の1以内。限度額は年額(4月~翌年3月)1人2万5千円で、毎年4月1日に自動更新される。 利用できるのは、平日午前8時~午後4時とし、土日と祝日、年末年始(12月29日~1月3日)は利用できない。市内と市外医療機関の区間限定で、総合病院のほか、診療所やクリニックも対象とするが、歯科医院や接骨院などは対象外となる。 利用者はタクシーを予約後、乗車時に利用者証と本人確認書類を提示。乗務員は同事業専用の車載タブレット端末を使い、利用者証に印字されたQRコードを読み取り発車する。降車時は、乗務員が料金メーターを登録し、利用者はタブレットに表示された料金を支払う。 市によると、タブレットではデータを取得、蓄積し、不正使用などを防止するとともに、需要の把握に努め、地域の公共交通の改善につなげる考えだ。 市では、高齢者らの市内の移動手段として、2021年10月から「ほこまる号」の運行を開始。ほこまる号は年々利用者が増加し、広く市民の足として利用されているが、利用者アンケートでは同県水戸市や鹿嶋市など市外医療機関への通院を希望する声が多く寄せられていたという。 8月1日時点の利用登録者は、226人。水戸市内の病院で診察を受けた際に利用したという鉾田市梶山、小暮由美子さん(88)は「車を所有していないので、タクシーなどに頼るしかない。半額助成は助かった」と話した。
茨城新聞社