民事事件で取り調べ映像を再生 札幌地裁、黙秘権の侵害訴え
2021年に当時2歳の長男を監禁した容疑で北海道警に逮捕され、不起訴になった女性と当時の弁護士が、黙秘権を侵害されたなどとして道に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が31日、札幌地裁であった。女性警察官が黙秘権について「本当のことを言わなくて良い権利ではない」と発言する取り調べの録音・録画映像が再生された。 地裁が札幌地検に開示を命じ、原告側が約25時間の映像を約13分に編集した。原告側によると、民事訴訟で刑事事件の取り調べ映像が証拠として再生されるのは異例。 映像では黙秘する女性に、警察官が「産まなきゃよかったんじゃないの」「その程度の愛情しか注げていなかったの」などと問いかける場面もあった。原告側代理人は「侮辱的で人格権を侵害する言葉だ」と批判した。 道側は「取り調べは社会通念上相当と認められる範囲を逸脱しておらず、違法ではない」と反論している。 訴状によると、道警の執拗な取り調べで自白を迫られるなどし、黙秘権や秘密接見交通権を侵害されたと主張している。