長澤まさみの「現在の夫」は 68歳の歌舞伎俳優・坂東彌十郎！…三谷幸喜・監督最新作で見せた「何だか憎めない可愛げのある奴」
2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の出演以来、話題作への出演が続いている歌舞伎俳優・坂東彌十郎(68)。最新映画「スオミの話をしよう」(9月13日(金)全国公開)は、「鎌倉殿の13人」でも脚本を担当した三谷幸喜監督の最新作だ。彌十郎が演じるのは、主人公のスオミ(長澤まさみ)の現在の夫である身勝手な芸術家だという。 【写真】歌舞伎俳優・坂東彌十郎が三谷幸喜・監督最新作で演じた「長澤まさみの夫」 前編「「もう顔も見たくない、出て行け！」師から言われた一言…68歳の歌舞伎俳優・坂東彌十郎が、前に進み続ける理由」より続く…
映画の撮影は、初めてで楽しいことばかり
歌舞伎の海外展開に積極的に挑戦し続けている彌十郎だが、この度、本格的な長編映画への初挑戦となったのが、三谷幸喜監督の最新作「スオミの話をしよう」である。 物語は、主人公のスオミ(長澤まさみ)が行方不明になったことを機に、彼女を愛した元夫4人(西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一、小林隆)と、彌十郎演じる現夫の5人の男たちが集まり、スオミの捜査を開始するところから始まる。が、実際はスオミの安否そっちのけで、誰が一番スオミを愛していたのか、愛されていたのかを熱く語り合う展開に……。スオミはどこへ消えたのか。スオミはいったい何者なのか。そんな極上ミステリー・コメディが展開される。 「僕は、寒川しずおという身勝手な芸術家の役なんですが、すごい横暴で、いけ好かない奴なんですよ。そこを何だか憎めない、可愛げのある奴にしてほしいということを、三谷さんは僕に求めてらっしゃったと思うんです。といっても、三谷さんの言われるとおりにやっているだけですから、難しかったというより、楽しんでやらせていただきました。 他の4人の方たちは、みなさん映画に慣れてらっしゃいますが、僕は初めてのことばかり。控室でリハーサルが終わった後に、またみんなで台詞を合わせたりするのも、楽しかったですね、もう大爆笑で。で、『こんなに映画って楽しいんだったら、もっとやりたい』と言ったら、出演者同士でこんなに和気あいあいすることは、あまりないみたいで『全部がこうじゃないですから』ってみなさんに言われました」 中でも苦労したのはセスナ機の中での撮影だった。 「狭い機内で、頭をぶつけないようにするのが大変でしたね。あとは、寒川邸での撮影がほとんどだったんですが、急に監督から『今日はスイカを食べて、ここで種をペッ、ペッとはいてください』と言われた時かな。スイカの種を飛ばしながら、台詞を言わなきゃいけないので苦労しました。それからダンスシーンは、三谷さんならではの演出でやっぱり面白いですよ。ただ、全編、年齢も忘れて思い切り演じさせていただいたので、筋肉痛になりましたが(笑)」 主人公と5人の夫の他にも、瀬戸康史や宮澤エマ、戸塚純貴など個性的な面々が脇を支えている。 「とにかく、5人の亭主のそれぞれのキャラクターを楽しんでもらいたい。そして、彼らに対するそれぞれの『スオミ』も、同時に楽しんでもらえたらと思っています。中でも、スオミの生い立ちは、現代社会にも実際に見られることなので、ただ楽しむだけではなく、考えさせられることもある作品になっていると思います」
