『マルス-ゼロの革命-』道枝駿佑と江口洋介はただの“敵”ではない? 真の黒幕が存在か
“ゼロ”こと美島零(道枝駿佑)と國見(江口洋介)の過去の因縁が明かされた『マルス-ゼロの革命-』(テレビ朝日系)第4話。 【写真】売春しようとした妃奈(田辺桃子)に寄り添う“ゼロ”(道枝駿佑) クロッキー社による個人情報の流出による事件がどんどん“マルス”の周囲に忍び寄る。呉井賢成(山時聡真)とオンラインゲームで出会った白川妃奈(田辺桃子)もその被害者の1人だ。彼女はゲームに課金するあまり、闇金サイトから300万円の借金を抱えていた。しかし実際に借りたのは15万円だったのが、1年で利子で300万円まで膨れ上がっており、確実に違法な貸付だ。さらにその返済のために闇バイトで売春を紹介されていた。 クロッキー社から入手した個人情報でお金に困っている人間に貸付を持ちかけ、首が回らなくなれば危険な闇バイトを紹介するという絵に描いたような抜けられない搾取構造、シナリオが用意されているのだ。 妃奈を救うため、彼女の恋人を偽って闇バイトに応募し潜入調査を試みた賢成と“マルス”たち。そのバイトの内容は巷のニュースでも聞いたことがあるようなもので、警備員のふりをして現金輸送車から現金を強奪するというものだ。警備員のユニフォームから警備先の銀行を割り出すと、現金ではなくゼロ自らが代わりにケースに忍び込みGPSとなったのだ。 しかしその先に待ち受けていたのはあまりに残酷すぎる現実だった。この闇バイトの元締めをしていたのは小学生のように見える子どもたちだったのだ。ネットを使い「殲滅」なんて言葉を用いて大人を脅し、意のままに操っていたのが子どもだったのだ。しかし誹謗中傷を受け開示請求をしてみたら、相手が中学生などまだ子どもだったという話は実際に聞いたことがある。 「正しいことをしても報われないなんて今の子どもは皆知ってるよ」という子どもたちのリーダーを抱きしめ「正しいことをしたら報われないとダメなんだよ。変えてみせるから、お前たちがこれだったら頑張ってもいいかなって思える世界に。俺たちが作り変えてみせるから」と力強く言った。そんなことを彼らに言わせてしまう大人の責任や不甲斐なさを痛感する。 これは、1年前クロッキー社の不正を知りマルス解散に追いやられるも、その後も「正しいことがしたい」と動画上での告発をやめなかった倉科エリ(大峰ユリホ)に対して、ゼロが言いたかった言葉だったのだろう。 しかし気になるのは、ゼロにかかわり続ける理由を國見は「贖罪」と答えていたが、さらに今話では「あいつが倉科エリの死にかかわっている限りは親としての贖罪がある」というようなことを示唆していた。國見はエリの父親なのだろうか。そうなると、エリが帰らぬ人となってしまったのは國見や彼の指示によるものではないのではないだろうか。國見もゼロも大切なエリという存在を何者かに奪われたという点は共通項なのかもしれない。 さらに、彼が「この国の行く先を左右する大きなプロジェクト」と称してやろうとしているのは「考えることを放棄して付和雷同するだけになったこの国に引導を渡す」こと。しかし國見は自分が「カンフル剤になってこの国をスクラップしてもビルドするには気概のある若者が必要」だと考えており、この候補に“マルス”も挙がっているようだ。彼らのお手並み拝見と言わんばかりに國見は要所要所でゼロの前に現れ、ある意味ヒントと試練を与えているようにも見える。ゼロに握らせたクロッキー社が個人情報漏洩をしていることの証拠となる動画は、話している内容がアテレコされており後で全く別の内容と差し替えられ、小物も変更されたフェイク動画だった。 ゼロがいつも協力を仰ぐマルス以外のメンバーは一体誰なのだろうか。その相手は本当に信頼できるのだろうか。 彼らを襲う次なる試練はクロッキー社が“マルス”を名誉毀損で訴えるという宣言だ。視聴者も手の平を返したように“マルス”に厳しい目を向け平気で誹謗中傷を書き込む今、彼らはこのピンチをどう乗り越えるのだろうか。
佳香(かこ)