「エブリシング・バブル」崩壊が始まっている…エミン・ユルマズ氏が語る「今買うと大やけどするAI銘柄」の名前
期待値が高すぎる
2つ目の理由は、「期待値が高すぎる」ことにあります。 AIが今後世界を一変させる可能性はあります。ただ、今のところはあくまで可能性に過ぎないわけです。にもかかわらず、株だけが猛烈な勢いで買われています。 「この会社は将来急成長するだろう」という期待感で株が買われていることを、「理想相場」と呼びます。 ただ、理想は往々にして行き過ぎるもの。「理想相場」はいずれどこかのタイミングで暴落し、その後は企業業績に見合った「業績相場」に入っていくのが常です。 2000年に「ITバブル」が崩壊しましたが、当時はこれからインターネットの時代がやってくる、という期待感でインターネット関連銘柄の株価が暴騰していました。 特に株価が急上昇していたのが、インターネット接続機器を売る「シスコ」という会社です。 シスコの時価総額は2000年の始めに一瞬世界一となりましたが、その後暴落し、現在も株価は高値更新していません。
エヌビディアはITバブル時のシスコと同じ
エヌビディアの株価の動きは、まさにシスコを彷彿とさせます。 エヌビディアも2024年6月にアップル、マイクロソフトを抜き、一瞬だけ「時価総額世界一位」になっています。 7月から8月にかけての調整で、エヌビディアの株価も一旦約91ドル付近まで下落しましたが、その後好業績を発表したこともあり、約129ドルあたりまで戻しました。 ただ、9月3日に約10％近く暴落するなど、不安定な動きを続けています。少し上がってもすぐに売りが優勢になるのは、多くの市場関係者が「エヌビディアの株価は高すぎる」と見ている証拠でしょう。 個人的にもエヌビディアの株価はまだまだ高すぎると思います。適正な価格は良くて半額くらいではないでしょうか。10分の1くらいまで下落しないと手を出しづらい銘柄に感じます。 「今後エヌビディアの株が暴落する」と断言するわけではありませんが、上値が重たい状況が続くと見ておくほうがいいと思います。
エミン・ユルマズ
