農家と地域結ぶ八百屋カフェ開店…元地域おこし協力隊の女性、「楽しいねって思えるまちづくりを」
松江市白潟本町にあるビルの空き店舗が、「八百屋カフェ」などが入る複合施設「しらかたBASE」として改装オープンした。市の中心市街地の再生に取り組む都市再生推進法人「まつくる」が整備し、空き店舗が目立つ地域の新たなにぎわい創出の拠点として注目されそうだ。(門脇統悟)
しらかたBASEは、法人が空き店舗再生事業で手がけた、天神町のてんじんBASEに次ぐ第2弾。昨年7月閉店の老舗あごの焼き店が入居していた3階建てのビルを購入し、同店が営業していた1階部分をリフォームした。
通りに面したスペースには、今年3月まで松江市の地域おこし協力隊員だった岡田さつきさん(61)が経営する八百屋カフェ「 rooot(ルート) 」が入り、11月下旬から営業を開始。店内では松江、安来両市の農家から仕入れた旬の野菜を販売するほか、健康に配慮したランチや弁当を提供している。
岡田さんは松江市出身。退職後の起業を考える中で地域おこし協力隊の存在を知り、東京の医療機器メーカーを辞めてUターンを決めた。協力隊では、地場産野菜の販売方法やPRに困っている生産者らとも知り合い、「そうした方たちの役に立てないか」と八百屋カフェを構想。まつくるの協力を得て、オープンにこぎ着けた。
店名は、「根付く、定着する」を意味する英語の「root」に、岡田の「o」を加えた造語だ。1階部分にはほかに、松江商工会議所のスタートアップ相談拠点と整体の施設が入る。
岡田さんは「地域の皆さんと一緒に、『楽しいよね』って思えるまちづくりにつなげられるよう、お手伝いをしていきたい」と話している。