10グラムで20,000円!ほとんどの日本人が知らない高級食材「白トリュフ」の真実
米に埋めたりオイルに漬ける保存法はNG
掘り出した白トリュフは、5日から10日くらいで芳香が薄れ、乾燥して縮んでしまいます。土中にあっても、シーズンが終われば朽ちて終わり。“長期熟成”はしません。 「鮮度のいいトリュフは、(1)しっかりと固く、(2)香りがよく、(3)見た目より重く感じる(水分を含んでいるため)ものです。購入したら、キッチンペーパーで2~3重に包んで蓋付きの容器に入れ、冷蔵庫で保存してください。ペーパーはトリュフから蒸発する水分で湿ってくるので、毎日変えてください。 ガラス容器は内側につく水滴でトリュフが劣化するので避けましょう。真空パックもやめてください。トリュフは呼吸しなければならないのと、トリュフ自身から出る水分によって劣化してしまうからです」。 レストランでもよく見かけますが、トリュフを米の中に埋めるのもやめたほうがいいそう。「米がトリュフの水分を吸いすぎて乾燥(劣化)が早まり、風味も損なわれてしまいます。また、自宅でオリーブオイルなどに漬け込むと、トリュフの表面についている雑菌が繁殖して発酵してしまい危険なので、これもお勧めできません」 日本の白トリュフは、玉石混交。信用できるレストランやショップを選ぶことが重要です。次のページでは、富松さんお墨付きのピエモンテ産白トリュフだけを提供する、ハイエンドなレストランをご紹介します。
最高の白トリュフに出合えるレストランへ
白トリュフは鮮度が命。フレッシュなものは香りがいいだけでなく、シャキシャキとした食感と、イモ類のような甘みがあります。毎週火曜、富松さんが信頼するピエモンテのハンターから集められた白トリュフは、翌水曜に富松さん自ら空港に運び、夕方の便に乗って木曜日に日本に到着。速やかに全国のレストランなどに納品されます。 なかでもハイエンドな一軒が東京・白金高輪の「Steak Éda(ステーキ エーダ)」。他ではなかなかお目にかかれない銘柄牛を薪窯で焼き上げるステーキのコースを堪能できるレストランです。白トリュフは、自社グループ内で富松さんから直接輸入しているため(トリュフの選定・発送が行われるオフィスまで徒歩数分! )、もっとも鮮度の高い状態で、さまざまな料理に加わります。例えば――。 イタリアの星付きレストランでも腕を磨いた井上裕二シェフが腕をふるう、旬の素材をふんだんに使った品々。そこに富松さん印の白トリュフの官能的な風味が加わり、悶絶必至のコースが展開します。 「トリュフは育つ環境によって大きさ、形、色、香り、味も違います。ピエモンテの白トリュフは、土壌が固いためごつごつとした見た目で小さめ。ゆっくり育つため香りも味も濃いのが特徴です。トスカーナは砂地なので、丸く大きく育ち、香りや味はやや穏やかな傾向です。 また、共生する木の種類によっても色や香り、味が違います。ポプラの木の下に育ったものは白っぽく、ボダイジュの下に育ったものは縁がほんのり赤く香りが強い。オークの古木の下に育つと色が濃く香りはおだやかで、きのこらしい味がイタリア人には人気です」と富松さん。 そんな風に、白トリュフが生まれ育つピエモンテの大自然をイメージすると、より味わいが増していきそうです。「Steak Éda」のコースは通常10品前後で40,000円~。白トリュフをプラスする場合は、2皿にたっぷり削ってプラス30,000円~が目安。年に一度の贅沢をするなら、ぜひ選択肢に入れたい一軒です。 Steak Éda(ステーキ エーダ) 所在地 東京都港区白金1-6-1 電話番号 03-3445-0029 営業時間 ご相談のうえ 定休日 不定休 次のページでは、もう少し気軽に本物の白トリュフを楽しめるお店をご紹介します。