<チェジュ航空旅客機事故>「事故履歴ない」と説明していたチェジュ航空機、3年前にも滑走路衝突あった
韓国全羅南道(チョルラナムド)務安(ムアン)国際空港で搭乗者179人が亡くなって2人がけがをするチェジュ航空旅客機惨事が起きた中で、事故機が3年前に空港滑走路で衝突事故を起こし、2億ウォン(約2130万円)を越える罰金は科されていたことが分かった。だが、チェジュ航空は事故機に対して事故履歴は全くなく整備問題もなかったと発表していた。 【写真】旅客機との衝突で破損したローカライザー 30日、JTBCによると、韓国空港公社は「統計システムを確認した結果、同一の機体が3年前に事故があった」と国会国土委員会に報告した。 共に民主党の朴竜甲(パク・ヨンガプ)議員室〔国土委・大田中区(テジョン・チュング)〕によると、事故が発生した時期は2021年2月17日で、金浦(キンポ)空港から済州(チェジュ)空港に向かって離陸している途中、胴体後方が滑走路に擦れて機体の一部が損傷した。当時事故飛行機の登録符号は「HL8088」で、29日に務安空港で179人の死亡者を出した航空機だ。 国土部は当時チェジュ航空に「飛行機の一部分が損傷したが十分に確認しないで飛行したのは安全規定違反」としながら課徴金2億2000万ウォンを科した。 朴議員は「今回の惨事飛行機は3年前も離陸過程で衝突事故があった」とし「チェジュ航空は事故履歴が全くないというが虚偽の説明ではないのか」と疑問を呈した。 これに対してチェジュ航空は「3年前の事故は非常に軽微で、航空法上事故ではない事件として分類されたため事故履歴がないと話した」としながら「現在課徴金を全額納付して点検と整備をすべて完了した後、正常運行した」と説明した。 一方、チェジュ航空は8社の国籍航空会社のうち航空機の平均機齢(使用年数)も最も高いことが分かった。航空技術情報システム(ATIS)によるとチェジュ航空の平均機齢は14.4年で大韓航空(11.4年)やアシアナ航空(12.3年)よりも2~3年長かった。同じ格安航空会社(LCC)であるエアプサン(9.7年)やジンエアー(12.7年)、ティーウェイ航空(13.0年)とも差がある。 法規違反で航空当局から受けた行政制裁もチェジュ航空が最も多かった。 国会国土交通委員会所属の李蓮喜(イ・ヨンヒ)議員室(共に民主党)が国土交通部から提出させた「航空会社別行政処分および課徴金、過怠金など行政制裁賦課現況」によると、2020年から今年9月まで10社の国籍航空会社が航空安全法などの違反で合計36回の行政処分を受けた。 このうちチェジュ航空が行政処分を受けた回数が9回で最も多かった。続いて大韓航空8回、ティーウェイ航空7回、アシアナ航空4回、エアインチョン・ジンエアー各2回、イースター航空・エアソウル・エアプサン・エアロK各1回だった。 チェジュ航空は昨年運航および整備規定違反で11日の運航停止処分を受けたほか、2022年にも運航規定違反や危険物輸送でそれぞれ7日、20日の運航停止処分が下された。 2019年以降今年8月まで納付した課徴金金額もチェジュ航空が最も多い。