結成!麦わら&ビーコル海賊同盟「ワンピースとのコラボはすごく良い」(横浜ビー・コルセアーズ マイク・コッツァー)
2011-12シーズン、当時のbjリーグで新たな海賊がプロバスケの大海原に出航した。2011年、海賊をテーマにした人気漫画ワンピースは、魚人島編を迎えていた頃。現在、テレビアニメ版ではスペシャル・エディット・バージョンとして絶賛放送中のストーリーである。2011年時点で60巻を超え、現在110巻を数える長寿作品ゆえに、海賊コラボを待ち焦がれるファンも多かったのではないか。船出から13年、横浜ビー・コルセアーズのホーム・横浜国際プールに、麦わら海賊団の船長モンキー・D・ルフィがやって来た。 『ONE PIECE BASE DAY』と称し、ワンピースのアプリとのコラボが実現。アプリ内では、バスケットボールを持ったレアなルフィのSNS向け特別アイコンフレームがゲットできる。また会場では、手配書となったビーコル選手たちのクリアファイルやポストカードがプレゼントされた。サブアリーナでは『ONE PIECE AREA』が登場し、複製原画を堪能できる充実した2日間だった。 このコラボを楽しみにしていたのはファンだけではなく、選手も同じである。元ワシントン・ウィザーズ、現在はセルビアのKKパルチザンでプレーするドイツ代表のイザック・ボンガはSNSのアイコンに麦わら海賊団の剣士ゾロを使用しており、世界的人気のワンピース。チーム広報に伺えば、ビーコルでも手配書になって一番喜んでいたのはマイク・コッツァーだったそうだ。記者会見に登壇したコッツァーに、幸運にも手に入った手配書ポストカードを向けると、満面の笑みを見せた。 「2~3年前ぐらいにアニメを見はじめ、今もしっかりチェックしています。ワンピースとのコラボはすごく良いと思います。おもしろい企画をチームがすることで、会場に足を運んでくれるブースターも選手も喜んでいます。これからもこのようなおもしろい企画を自分自身も楽しみにしたいです」 特別指定で新たに加わった2人の若き海賊も、ワンピースファンである。前野幹太は「物心がついたときから両親が見ていたので、自分もアニメでずっと見ていました。今もジャンプの最新話をずっと追いかけています」とエルバフ編をリアルタイムで追いかける。佐藤涼成も「大学1年生の時に白鷗大学の先輩である(ミサカボ)ベニさん(現・埼玉ブロンコス)に勧められて見はじめて、アニメでずっと追いかけています。好きなキャラクターはゾロ」とみんなワンピースが好きだ。 今回限りのコラボだけではなく、麦わら海賊団の船長ルフィとビーコルのマスコットであるコルスが互いの海賊旗を交換し、盃を酌み交わして海賊同盟を締結。四皇の一角を味方につけたビーコルの後半戦の快進撃に期待したい。 前半戦の30試合を終え、今シーズンよりエストニアからやって来たコッツァーもBリーグに慣れ、本領を発揮しはじめている。昨年まではスペインのバスコニアでプレーし、ユーロリーグにも出場。ビーコルでは209cm/122kgの体躯を生かし、インサイドで活躍を見せる。「Bリーグのフィジカルは想像していたよりも激しいと感じています。また、審判の笛の吹き方の基準もユーロリーグなどとは違うので、そこに慣れていかなければならなかったです。でも、タフでフィジカルな大きい選手たちとヨーロッパで戦ってきた経験をしっかり生かし、今は戦えています」と頼もしく、何よりチームの勝利や仲間のことを一番に考えている。 FIBA ユーロバスケット 2025予選ではエストニア代表に選出され、前半戦を終えたBリーグと同じく平均9リバウンドはチームトップ。現在3勝1敗、グループHの首位に立つ。昨年2月のリトアニア戦では、11点・13リバウンドと活躍し、出場時間の得失点は+10でチームを勢いづけ、65-59の勝利に貢献。昨年11月はエストニア代表に選出されながらも、出場機会はなかったことでポーランドに1敗を喫した。2月にはFIBAブレイクがあり、エストニア代表として選出されれば、3勝1敗で並ぶリトアニアとふたたび対戦する。Bリーグで揉まれたコッツァーが、ヨーロッパでさらなる活躍を見せることで自ずとその懸賞金は上がっていく。
泉誠一