3年目の朴槿恵大統領、レームダックは避けられるのか? 辺真一「コリア・レポート」編集長
カギは与党セヌリ党内の求心力
支持率の急落に危機感を持った朴大統領は新年の会見で以下のような展望と抱負を語っていましたが、いずれも任期中の実現が危ぶまれるものばかりです。 経済では「潜在成長率4%台、雇用率70%、国民所得4万ドル」のバラ色のスローガンを打ち出しましたが、経済畑の李前大統領ですら実現できなかった目標です。全国経済人連合会(全経連)が一流企業を対象に行った今年の経営環境調査では今年の成長率は政府の見通しより低い3.0~3.5%になるとの回答(34.1%)が最多でした。
南北関係も先行き不透明で、今年は解放70周年目に当たることから南北対話・交流を推し進めると宣言したものの昨年末に呼びかけた南北高位級会談は開かれず、2月19日の旧正月を前に計画していた南北離散家族の再会も頓挫してしまいました。 外交も懸案である日韓首脳会談を内心望んでいるのに、安倍総理が慰安婦問題で誠意を示さない限り応じるわけにはいかない事情もあり、これまた苦しい立場に立たされています。 選挙に強いことで与党から「セヌリ党のジャンヌ・ダルク」として担がれ、当選した朴大統領でしたが、先の新首相任命をめぐる国会採決ではその与党内からも離反者が続出する有様です。与党からも見放されれば、一気にレームダック化するでしょう。