試合後、笑顔で撮影に応じる慶大・清原正吾（撮影・加藤圭祐）

東京六大学野球秋季リーグ第4週最終日（7日、東大0－3慶大、神宮）3回戦2試合が行われ、慶大は東大に3－0で快勝。今季初の勝ち点を挙げた。プロ野球通算525本塁打を放った清原和博氏（57）の長男、清原正吾内野手（4年）は四回に今季2号ソロをマーク。ロッテで通算87勝を挙げた渡辺俊介氏（48）の長男、渡辺向輝投手（3年）とのプロ野球選手ジュニア対決を制した。早大は立大に4－1で勝ち、勝ち点を3とした。 中1日で再び実現した元プロ野球選手を父に持つ2人の対決。勝利したのは、またしても慶大の4番・清原だった。東大・渡辺から四回に先制ソロを放ち、悠々とダイヤモンドを駆け抜けた。 「鋭いスイングというのは意識している。うまく（バットの）ヘッドが走ってくれた」 負ければ東大相手に43年ぶりの勝ち点献上となる一戦。初球、90キロのカーブを一閃すると、今秋2号は弾丸ライナーであっという間に左翼席前段に着弾した。五回には軽打で右前適時打を放つなど2安打2打点。3試合連続となる複数安打で打率は・243（37打数9安打）に上昇し、「好球必打をテーマに（打撃が）できている」とうなずいた。 今夏の東京六大学オールスターで食事をともにするなど親睦を深めた清原と渡辺。お互いを「ナベ」「清さん」と呼び合う。清原は「父がどうという意識はなく、楽しみにしていた」といい、第1戦と合わせて計5打数3安打3打点、1本塁打と打ち込んだ。 父・和博氏はバックネット裏で観戦し、本塁打には拍手を送った。開幕前にプロ志望を表明した長男・正吾に対し「リラックス、リラックス。楽しんで」とメッセージを送っているという。 大学最後となるリーグ戦は残り2カード。逆転優勝には勝ち点を落とすことは許されない。「自分のすべてを懸けて全力で戦いたい」。上昇気流に乗った清原は眼光を鋭くした。（児嶋基） ■東大・渡辺、悔し3失点…清原との差を痛感 5日の1回戦に続いて中1日で先発した渡辺は5回⅔を8安打3失点。三回まで無得点に封じたものの、四回に清原に先制のソロ本塁打を浴び「打たれた瞬間、という感じだった。これがプロを目指す選手なんだな」と脱帽した。試合に敗れたが、6日の2回戦で2季ぶりに勝利。渡辺は7年ぶりの勝ち点獲得に向け、「フィジカルの強い打者を抑えていくのが今後の課題」と話した。