田中龍馬、龍雅が24年ぶりの兄弟優勝 夢は三男と3人で五輪の舞台へ…柔道選抜体重別
◆柔道 全日本選抜体重別選手権 第1日(6日、福岡国際センター) 男女7階級が行われ、男子で66キロ級の田中龍馬(22)=SBC湘南美容クリニック=が3年ぶり2度目の頂点に立った。73キロ級は弟の田中龍雅(19)=筑波大=が初制覇。2000年の中村行成と中村兼三以来、24年ぶりの兄弟優勝を果たした。 田中兄弟が一家の悲願に向かって走り出した。66キロ級の兄・龍馬は決勝で14分超えの熱戦を制すると、すぐに弟の応援に回った。2試合後に組まれた73キロ級の龍雅は合わせ技で一本勝ち。24年ぶりの兄弟優勝を達成し、互いにガッツポーズを向け合った。兄は「素直にうれしい」と笑顔を見せ、弟は「兄が勝ってバトンをつないでくれたので、その勢いに乗って勝つことができた」と胸を張った。 兄は21年グランドスラム・パリ東京大会を制するなど、パリ五輪代表選考レースでも期待されたが、東京五輪金メダルの阿部一二三(パーク24)、元世界王者の丸山城志郎(ミキハウス)の厚い壁に跳ね返された。世界を目指す上で、パリ五輪で連覇を狙う阿部は今後も避けて通れない存在だが「阿部選手に勝ったら世界チャンピオン、オリンピックを取れる証明になる。それだけ強い選手と同じ階級で戦えるのは、ポジティブに捉えている」と前を向く。 3歳下の弟・龍雅は兄の影響で4歳で柔道を始めた。「兄がインターハイとか全国で勝ち出すようになってから、自分も全国や世界を見ることができた。目標が目の前にあって、とても自分の中で大きな存在だった」。高校3年だった22年の世界ジュニアを制し、筑波大入学後は兄と毎日のように乱取りを重ねて成長してきた。 田中家の悲願は三男で昨年の全国高校総体2位の龍希(16)=佐賀商高=も含め、3人で五輪の舞台に立つことだ。父に「信念を持って自分が信じた道を切り開いてほしい」と坂本龍馬にちなんで命名された兄は「弟たちの目標になる選手でありたい」。まずは28年ロサンゼルス五輪に向け、世界最強に挑戦する覚悟を示した。
報知新聞社