桜満開、中能登・水白鍋山古墳 仲間の分も…水田にトラクター駆動音
能登半島地震で震度6弱を観測した石川県中能登町の水白地区で、水田の傍らにある古墳に植えられた桜が見頃を迎えた。地区では、地震で基礎から傾くなど住宅被害が出たが、農地への目立った被害はなかった。桜のそばで「コシヒカリ」を作る新江安文さん(72)は、開花に合わせて田植えの準備に励んでいた。 桜は、5世紀前半に築かれたという鍋山古墳の景観保全のため、同地区の区長だった安文さんの父、政次さんが約50年前に植えた。安文さんは「地震で米さえ作れない仲間がいる。仲間の分も良い出来の米を作りたい」と、トラクターのエンジンをうならせた。
日本農業新聞