ベアリングス、プライベートクレジットファンドの新規投資を一時停止
(ブルームバーグ): 米資産運用会社ベアリングスは、特定のプライベートクレジットファンドの新規投資を一時停止する。新興の英運用会社コリンシア・グローバル・マネジメントによる人材の大量引き抜きを受けて、新たな責任者の下で体制を整える。
ブルームバーグが確認した顧客向け書簡によると、ベアリングスは「われわれのコミングル・プライベートファンドおよびプライベート・セグリゲイティッド・ファンドについては、キーパーソン条項発動の有無にかかわらず、新たな投資リーダーシップに移行する期間において新規の投資を一時停止する。既存のコミットメントには引き続き資金を提供する」と説明した。
ベアリングスの広報担当者は特定のプライベートクレジットファンドが一時停止されるものの、北米や欧州、アジア太平洋地域のビジネス・デベロップメント・カンパニー(BDC、中堅企業向け金融会社)やその他のファンドといったビークル全般に投資することは引き続き可能だとした。その上で、「われわれは業界全体で多くのスポンサー企業に有意義な資金支援の提供を続けていく」と述べた。
野村ホールディングス(HD)が出資するプライベートクレジット・プラットフォームのコリンシアは先週までに、ベアリングスのプライベートクレジット部門から、共同責任者のイアン・ファウラー、アダム・ホイーラーの両氏を含む約22人を引き抜いた。
ベアリングスはこれに対応して、2007年入社のブライアン・ハイ氏をグローバル・プライベートファイナンス部門の責任者に指名。エリック・ロイド氏が、同部門のチェアマンに就く。また、北米、欧州、アジア太平洋地域でのプライベート・ファイナンスに向けて暫定的な投資委員会を設置した。
同社は18日、今回の人材引き抜きに関して、コリンシアおよびファウラー氏と元社員のケルシー・タッカー氏に対して法的手続きを開始した。
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原題:Barings Pauses Certain Private Credit Deals After Defections (2)(抜粋)
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Silas Brown, Paula Seligson