6年間のウーバーイーツ配達で学んだ、商品をトラブルなく運ぶコツ【チャリンコ爆走配達日誌】
ただ、店内にリュックを持って行くケースもあります。ひとつは、配達員用アプリに表示される店からの指示に「リュックを持って店内に来ること」と指示されている場合。そしてもうひとつは、運ぶ料理の量が多い場合です。 オフィスへの配達では、リュックの中に料理をビッチリ入れなければならないケースがあります。その際、店と外を何度も往復する方が邪魔なので、背負っているリュックを前に持つ感じで店内に入り、店内で料理をリュックに入れ、再び手前に持つ感じで移動。店を出てからリュックを背負っています。 目的地に到着したらリュックを背負ったまま配達先へ。エレベーターでリュックを背負っていると住民の方の「邪魔!」という視線が飛んでくることがありますが、エレベーターの床に置くと混雑している時に間違えて蹴られたり、ベビーカーとぶつかってリュックが倒れる可能性があります。そういったリスクを避けるために私はリュックを背負ったままエレベーターに乗ります。 置き配の場合、家のドアの前のインターホンは基本鳴らしません。都内のマンションの場合、建物の中に入る前に一度インターホンを鳴らすので、何度も鳴らすと「しつこい」と思われる可能性があります。インターホンを押すことで赤ちゃんが起きてしまうことや、ペットが騒ぎ出すことがあります。このようなことが起こるとBAD評価をつけられる可能性があります。配達員用アプリに「インターホンを鳴らしてください」と指示があれば鳴らしますが、私は基本、部屋のドアの前、最後のインターホンは鳴らさないようにしています。 商品を直接受け渡す場合は、なるべく相手の顔を見ないようにしています。これは私個人の考え方なので、正解かどうかはわかりませんが、外食ではなくデリバリーを頼む方は、外出するための準備をしていないことが多いと思われます。特に女性の方はすっぴんで部屋着という方もいるでしょう。そんな方の顔を50歳近いおじさんがガッツリ見るとBAD評価がつく可能性があります。女性でなくても、自転車を漕いで疲れた顔の汗かきおじさんが商品を渡す際にジロジロ見てきたらゾワッとする方も多いでしょう。なので私は、注文された方の足を見ながら商品を渡しています。 最後の受け渡しに関しては、配達される方の見た目や年齢で変化すると思うので臨機応変にご対応いただけたらと思いますが、他の点に関しては料理をこぼさないことにつながるものなので、配達の際の参考にしてみてください。 文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明