ホンダほか大手7社による北米の高出力EV充電ネットワーク新会社「IONNA(イオンナ)」始動
北米のEVシフトを強力に後押しする
ホンダ、GM、BMW、メルセデス・ベンツ、ヒョンデ、キア、そしてステランティスによる高出力EV充電ネットワーク事業が、いよいよ北米で始まった(現地時間2月10日発表)。7社による合弁会社の名称は「IONNA(イオンナ)」。今夏よりまずは北米で高出力EV用充電ステーション施設を開設し、追ってカナダにもネットワークを拡大する。(タイトル写真はイメージ) 【写真】IONNAの充電ステーションなどを見る メジャープレイヤー7社によって運営されるIONNAは、昨年7月の設立発表時点では、2023年末の事業開始を目指していたが、規制当局による認可取得の関係で結果的に1カ月余り遅れてのスタートとなった。今夏より、米国内で独自の充電ステーションを開設し、(すでに各社が独自に設置を進めている急速充電器も含め)少なくとも3万基の高出力急速充電器を配備する。 IONNAが設置する急速充電器は、NACS(North American Charging Standard:いわゆるテスラ規格)と、従来から米国内で利用されてきたCCS(Combined Charging System)のどちらの充電方式にも対応した、いわゆるデュアルガン方式を採用する。 充電器の出力はまだ公式に明らかにされていないが、800VオペレーションのEVが今後増加することを考えると、250kW以上の出力を備えてくることは間違いない。NACSに対応していないメーカーや車種でも、すべてのEV(とPHEV)がアダプターなしで利用ができる。 現在の北米CCS規格の公共急速充電器は、およそ2割弱が故障やメインテナンス不良で使用できないと言われるほど問題が多かった。IONNAのステーションではメインテナンスも行き届き、すべてのEVユーザーの利便性は飛躍的に向上するだろう。 さらにIONNAの充電ステーションには、トイレ、飲食店、雑貨店などが施設内もしくは近隣に併設され、ユーザーには従来の充電ステーションとは異なる利便性と快適性も提供される。また、充電される電力も含め、ここで使用される電力はすべて再生可能エネルギーだ。 さらに7社の自動車メーカーのユーザーならば、スマホなどのデジタルデバイスによるさまざまな機能が与えられ、予約、インテリジェントなルート計画とナビゲーション、決済、透明性の高いエネルギー管理、追加機能など、車内およびアプリ内体験とのシームレスな統合を促進することを謳う。 なかでも決済に関しては、テスラスーパーチャージャーや欧州IONITYが採用する「プラグ&チャージ」が採用される可能性が高く、ユーザーは充電プラグを差し込むだけで決済できるようになるだろう。