浄化槽設置事業完了 ベトナム JICA活用の福島県内企業
国際協力機構(JICA)の制度を活用した福島県内3社の共同企業体(JV)によるベトナムでの浄化槽設置実証事業が完了した。福島県の技術力を生かし、現地の生活排水処理水準の向上につなげた。5日、福島市で成果報告会が開かれた。 3社は水質検査を担った環境分析研究所(福島市)、設備の点検などに携わった昭和衛生センター(南相馬市)、設備を設計・設置したカンスイ(塙町)。2015(平成27)年に事業を始め、新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航中止を経て、ベトナム北部のフンイェン省の住宅街と幼稚園に浄化槽を設置した。住宅街の設備は千人規模の居住に対応できる。 ベトナムは急激な経済成長や都市化に伴い、生活排水設備処理が追いつかず水質汚染が深刻化していた。事業を通じて現地法人に技術指導し、浄化槽の普及・定着に向けた関連条例制定をフンイェン省人民委員会に提案した。事業完了は2022(令和4)年12月。東邦銀行が支援した。
報告会では環境分析研究所の菊池美保子社長、昭和衛生センターの田原義久社長、カンスイの本多幸雄社長が出席。現地での長期的な維持・管理などが課題とし、継続的に技術指導に関わっていく考えを示した。