「もっと現場を見てほしかった」岸田総理2度目の被災地視察もやはり足早に…被災者の嘆き
2月24日、岸田総理が2度目となる能登半島の被災地視察を行った。 1月の視察と違い、避難所訪問のほかに陸路で数ヵ所の被災現場などを視察したほか、輪島塗職人らとの車座対話も行ったが、今回も足早での視察となった。 焼失した朝市で黙とう…岸田総理 2度目の被災地視察の様子【写真】 航空自衛隊の輸送機で1月27日より運航再開となった能登空港に9時30分頃に到着後、総理一行は車で穴水町へ入った。10時10分頃に避難所へ到着し、穴水町では避難所で避難者や災害ボランティアらと面談後、10時30分前には現地を出発し輪島市へ移動した。 能登半島の道路は発災直後よりは整備されつつあるが、それでもまだまだ悪路が続く中の移動で、スムーズな移動とは言えない状況が続いている。 輪島市では初めに土木事務所を訪問後、輪島市内から車で30分ほどの場所に位置する白米(しろよね)千枚田で棚田の被災状況を視察。 その後、輪島港の商業施設に設置された応急仮設住宅を視察し被災者と意見交換を行い、輪島漁港などの視察を行ったのち、朝市の被災現場へ移動した。 視察現場の順番も当初予定していた場所から直前で順番が入れ替わるなど、受け入れ現場では待機していた愛知や富山から派遣された警護員らが急きょ別の視察地へ移動する場面も見られた。 朝市では総理一行が到着すると出迎えた朝市組合員らと馳知事を交えて被災状況を聞くなど比較的ゆっくりと会話し、記念撮影にも気さくに応じるなどしていた。 総理は朝市組合長に「商売も1日も早く復活できるようにしっかり応援環境整備も努力します」と言葉をかけた。 総理と言葉を交わした組合員の女性たちに話を伺った。 「総理が来てくれて直接現場を見てくれたことはとてもありがたい。県の支援では限界があるから国にもっと支援をしてほしいとお願いしました。でもせっかくここ(朝市)まで来てくれたのに、入口の辺りだけじゃなくてもっと奥まで見て現状をじっくり見てほしかった。奥へ行くほど悲惨な状況なのに」 また、周辺で屋根の応急処置をしていた人たちは 「急にたくさんの人が来たから何事かと思ったけど総理が来てるとは知らずにびっくりした。知ってたら色々要望を伝えたかった」 と話していた。 その後再び県の土木事務所で休憩を行ったのち、車座へ参加した。1時間ほど意見交換と会見を行い、16時20分前に能登空港に到着、17時前には自衛隊の輸送機で空港を後にした。 毎度の足早な視察には被災現場への負担を最小限にすることなどが念頭にあるが、行っても行かなくても批判されるのは総理をはじめ要人の被災地視察の辛いところかもしれない。 撮影・取材・文:有村拓真
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