ホームで倒れた男性を救助 山下さん(臨床工学技士)と上野さん(JR東日本)に感謝状 福島県の郡山広域消防組合
人命救助に尽力したとして、福島県の郡山地方広域消防組合は8月30日、臨床工学技士で関越病院(埼玉県鶴ケ島市)中央診療部臨床工学科長の山下文子さん(54)と、JR東日本の上野柊磨さん(19)に感謝状を贈った。 郡山地方広域消防本部などによると6月27日午前10時50分ごろ、新幹線に乗るためJR郡山駅のホームで乗車待ちをしていた60代男性が突然倒れ、心肺停止となった。観光目的で同駅に降り立った山下さんは男性を見つけ、消防に電話で意識レベルなどの状態を詳細に伝えた。心臓マッサージも実施した。 駅業務をしていた上野さんは自動体外式除細動器(AED)を手に現場に駆けつけて男性に装着し、救命措置を行った。2人が連係して救急車到着までの7分間、迅速な救急活動を行った。男性は市内の病院に搬送された。現在は回復し、社会復帰した。同本部によると、心肺停止から10分間何もしなかった場合、救命率は10%以下となる。
贈呈式は市内のJR郡山駅で行われた。渡辺雅彦消防長が「患者の完全社会復帰の事例となり、2人の行動は勇敢だった」とたたえ、2人に感謝状を手渡した。山下さんは通り過ぎるわけにはいかないとの使命感で救命措置に当たったと振り返り、「男性が助かって本当に良かった」と語った。入社2年目の上野さんは社内研修でAEDを学んでいたとした上で、「今後このような場面に遭遇した時は、1秒でも早く対応してい」と述べた。 (郡山版)