女子バレー・集大成のリオ五輪 眞鍋監督「チームワークで金メダルに挑戦」
戦術という部分も化学反応する可能性もあります
──この4年、いろんな戦術を試してこられました。リオ五輪ではどのように戦われますか。 ロンドン五輪以降、いろんな歴史を振り返っても、特に女子は2つの金メダル、東京では回転レシーブ、モントリオールではひかり攻撃という新しい戦術で世界一をつかみました。男子はミュンヘンで時間差攻撃というのを開発して世界一に。日本が金メダルを獲得したときには必ず新しい戦術がある。 男子バレーも、世界も一緒で、金メダルチームは新しい戦術をずっと開発している。ですからそこをヒントに背の低い日本がリオで勝つためには何かやらないといけない、デメリットをメリットにするためにということで、「MB1(ミドルブロッカーを一人にしてウイングスパイカーを4人に)」とか「ハイブリッド6(ポジションの固定観念をなくし、選手がチームにとって最も効果的なポジションを複数こなす)」などにチャレンジしてきました。 最終的には今の形がベストだろうということで、現在のポジション編成に。チームワークが大きなカギになってきますし、まだ戦術という部分も化学反応する可能性もあります。ある1人の選手が化学反応を起こすかもしれないですし。いろんな仕掛けはしていきます。日本オリジナルの戦略、戦術を準備して臨みたいと思っています ──ポジションとして、また個々の選手に期待していることは。 まず木村(沙織)。ロンドン五輪ではエース、今回のリオ五輪はキャプテンとして挑みます。木村は一番にチーム、二番にチーム、三番目に若い選手のこと……と、自分のことがないくらいチームのことを考えてくれています。ユニフォームの下に1本線が入ると人は成長する。けがのことは心配はありますが、リオ本番では、キャプテン木村として死に物狂いでやってくれると思います。 セッターについては、宮下(遥)は2013年からずっと使っていますし、田代(佳奈美)もWGPで使って安定しています。2人はロンドン(竹下佳江、中道瞳)よりも高さがありますし、宮下はディフェンスもいい、サーブもいい。トスということだけではなくて全体をみると、2人ともに非常にいいところがたくさんあります。 リベロは佐野(優子)という世界有数のリベロが引退し、ここ4年いろんな選手を呼んで試して最終的に佐藤(あり紗)と座安(琴希)。どっちがリベロでどっちがレシーバーかは早い段階で決断しようと思っていますが(※8月5日、リベロが佐藤選手、レシーバーが座安選手で登録と発表)、ディフェンス重視で「4つの世界一」の目標を考えても、非常に大事な役割です。 復活した荒木(絵里香)。荒木がいてくれることで木村(沙織)が精神的に楽、何でも話せる相手ですから。山口(舞)はチームで一番ミスが少ない選手ですし、セッターも一番信頼してトスを上げられるかなと思っています。また島村(春世)はスピードや機動性があるし、サーブもいい。迫田(さおり)と長岡(望悠)には、ポイントゲッターということで、一番ポイントを取ってくれると期待しています。 パスヒッターは3人(木村沙織、石井優希、鍋谷友理枝)で十分いい感じです。サーブレシーブも安定してきていますし、ディフェンス、サーブについても、五輪でも期待しています。相手ブロックの隊形にもよりますが、パスヒッターもレシーブをしてからバックからの攻撃にも参加していけるように。練習ではやっているので、試合でもどんどん使っていきたいですね。