CMでお馴染みコミックシーモア、昨年度は売上813億円…韓国ピッコマは1000億円超、4年で7倍の急成長も
国内最大級の総合電子書籍ストア「コミックシーモア」を運営するNTT西日本傘下のエヌ・ティ・ティ・ソルマーレが、2023年度の売上高を初めて公表し、813億円に達したことが明らかになった。同時に今年「コミックシーモア」が20周年を迎えるにあたり、新たなビジョン「想いとテクノロジーにより、マンガ熱を広げていく」を策定した。 【画像】【関連】「マンガ多すぎ!業界最大級!」のCMお馴染みコミックシーモア、出版社からも高評価…ピッコマはアプリ売上上位 コミックシーモアは2004年、ケータイ向けコミック配信サービス「コミックi」としてスタートをWEBでマンガを読むことがまだ浸透していない時代から、テクノロジーと新しいマンガの在り方を探りながら、20年の歴史を経て、国内最大級の電子コミック配信サイトに成長した。
9割以上の出版社が「作家の活躍の場が広がった」と回答
此度の売上高公表に関連して、取引先である出版社への満足度調査を実施しており、回答した全出版社が電子書籍市場の拡大による好影響を実感。95.4%が「作家さんの活躍の場が広がった」と回答し、93%が「新たな読者層の獲得につながっている」と答えた。さらに、95.3%の出版社がコミックシーモアでの先行配信を通じて売上の増加を感じていると回答している。 ある出版社は「紙の雑誌が減って、リアルな場で作品をアピールする場が失っている中で、シーモアで露出されることで認知度が上がったと思う」と述べ、別の出版社は「今までアプローチできていなかったライトユーザーにも市場を拡大できているように感じています」などと評価。電子書籍市場のリーディングカンパニーとして、業界全体の発展に貢献していく姿勢を示している。
ピッコマは取引額1000億円突破…各社成長顕著
一部売上高を公表しているプラットフォームはコミックシーモアだけでない。たとえば今年1月、韓国のIT大手カカオの日本法人カカオピッコマが運営する電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」は、2023年の年間取引金額が1,000億円を突破したと発表。これは2019年と比較して7倍以上の数値を示しており、市場全体の成長とプラットフォームの強さを明るみにしていた。 このほか、「BookLive」はグループ全体で250億円、「LINEマンガ」を運営するLINE Digital Frontierは444億円をそれぞれ公式サイトや決算公告などで発表している。(注:後者など一部企業は営業損失を計上している。) 2023年度の電子書籍市場規模は前年比7.0%増の6449億円を記録(インプレス社調べ)し、2028年度には8000億円の市場に成長するとの予測がなされており、この成長傾向は今後も続くと見られている。
編集部 経済・社会担当