消防庁長官の「ハンギョレへの電気・水供給遮断、実行しなかった」証言に偽り
行安部長官→消防庁長→ソウル本部へ下達
12・3非常戒厳が宣布された直後、ハンギョレなどの主な報道機関への電気と水の供給を断てとの指示があったことが確認された中、イ・サンミン前行政安全部長官からこのような指示を受けていたにもかかわらずそれを秘密にしてきた消防庁が、国会で偽証までおこなっていたことが明らかになった。ホ・ソッコン消防庁長は「消防庁の次長と議論しただけで、実行には移さなかった」と主張したが、戒厳当日の夜、消防庁からソウル消防災害本部に「警察が協力要請してきたら協力せよ」との指示が下されていたという。 共に民主党のユン・ゴニョン議員が15日に「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の非常戒厳宣布を通じた内乱容疑真相究明国政調査特別委員会(内乱国調特委)」で公開したソウル消防災害本部の資料によると、消防庁は昨年12月3日夜の非常戒厳宣布後、2度にわたってソウル消防災害本部に連絡していた。 同日午後11時40分ごろにソウル消防災害本部長に連絡した消防庁のイ・ヨンパル次長は、「戒厳が宣布され、布告令が発令された。その内容を知っているか」と尋ねた。本部長が「ニュース報道の内容を見ている」と答えると、「布告令に関して、警察庁から協力要請が来たら協力してやって欲しい」と繰り返し述べたという。これに対し本部長は「わかった、こちらで判断する」と答えたという。 続いてホ消防庁長も10分後の午後11時50分ごろにソウル消防災害本部に連絡し、「警察から協力を要請された事項はあったか」と尋ねた。「協力を要請された事項はない」と答えると、ホ庁長は重ねて「ソウルで状況が多い可能性があるから、発生状況をよく管理してほしい」と指示したという。 ソウル消防災害本部が明らかにした戒厳当日の状況は、13日の国会行政安全委員会の懸案質疑に出席したホ庁長ら消防庁の立場とは異なる。同質疑でホ消防庁長は「行政安全部長官から主な報道機関への電気と水の供給を断つよう要求されて、どうしたのか」とユン議員に問われ、「次長と議論したが、その部分については特に何かアクションを取ったものはない」と答えていた。 ユン議員が重ねて「その内容を他の第3者に一言も言ったことはないのか」と聞いたが、ホ庁長は「指示しなかった」と答えていた。ソウル消防災害本部に警察への協力を指示していたにもかかわらず、うその証言をおこなったのだ。懸案質疑でホ庁長は、イ前長官にこのように指示されたのかをユン議員に問われ、最初は「覚えていない」と述べていた。しかし「偽証と内乱の容疑で捜査される可能性がある」と迫られ、ようやく指示事項を告白した。 15日に偽証が明らかになってからも、ホ・ソッコン庁長は言い逃れに終始した。ホ庁長は「とにかくソウル消防災害本部長が(そのような資料を)提出していたら、あのようなことを覚えていたはずだと思う」とか、「あの時の状況は正確には分からなかった。状況を把握しなければならなかった」と責任逃れをおこなった。イ・ヨンパル次長も「あの時は余裕がなくて、自分が正確に何を言ったのか(覚えていない)」とか、「災害対応の観点からしたこと」だと主張した。 これに対してユン議員は、「どうしてそんな言い方をするのか。自分で電話しておいてそんなふうに言うとはどれほど汚いのか」として、「国民を裏切って内乱に同調しておいて、消防の制服を着る資格があるのか」と批判した。 オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )