【台湾大地震】可視化された地政学的な地位、中国は「善意」を傘に統一へ執念 SNSには「救援目的で上陸を」の声も
4月3日に発生した大地震により、台湾の国際的に高い地位が再認識された。 日本や欧米諸国、インドなどが即座にSNSなどでお見舞いのメッセージを発信。蔡英文総統らが丁寧に返信するなど「SNS外交」が繰り広げられた。 中国もお見舞いの意を表明しているが、そこには統一への執念が透け、台湾は支援を辞退。大災害により地政学的に重要な地であることが可視化された。(JBpress) 台湾東部沖を震源地とした大きな地震が4月3日午前、台湾を襲った。 【写真】台湾を激しい地震が襲った 当初マグニチュード7.2と発表されていたが、後に7.7に修正された。震源地より25キロの花蓮県では震度7に近い揺れが観測されたという。台湾では403大地震との名称で報じられている。震源地は比較的浅く深さ15.5キロ、揺れは離島を含む台湾全土で感じられたという。 ネットでは、花蓮の山崩れやビルの倒壊の様子の動画などが拡散されていた。4日午前の段階で死者は9人、負傷者1000人以上と報道されていた。今回の地震は1999年9月21日に発生し2400人以上の死者を出した921地震以降、最大規模。余震もしばらく続きそうで、被害がこれ以上広がらないように祈るばかりだ。 被害に遭われた方が一刻も早く生活を回復できるように私も微力ながら義援金などに協力したい。 だが、この大きな災害の中で、小さな希望も見出せる。一つは、台湾の「人望」ならぬ「国望」というものが明らかになっている。世界の主要メディアがこの台湾大地震をトップニュースで報じたほか、各国政府および首脳が台湾の地震被害に義援金を表明したり、励ましのメッセージを出したりしている。
■ 支援めぐり「SNS外交」 日本の岸田文雄首相は3日午後1時ごろ、「大変心を痛めている。被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げる」といったお見舞いの言葉とともに、台湾が要請すればすぐにでも支援を送る準備をしていることをSNSのXの公式アカウントでも投稿、これに蔡英文台湾総統や頼清徳・次期総統が感謝のメッセージを送るなど、SNS外交が展開された。 フランス外務省は「この試練の中、台湾の人々に声援を送り、彼らに対する支持を保障する」との声明を発表。インドのモディ首相もXのアカウントで、「台湾の今日の地震に対して深い悲痛を感じている。我々は犠牲者家族への心からの哀悼を示し、負傷者が早くに回復するよう祈っている。我々はタフな台湾の人々とともにあり、彼らが困難を乗り越え、地震から回復するのを手伝いたい」と述べていた。 欧州理事会議長のシャルル・ミッシェル、米ホワイトハウスともに、すでに台湾を支援する準備があると表明していた。 またフィリピンのマルコス大統領もXのアカウントで、「我々の心は台湾の人々とともにある」「安心してほしい、我々の移民労働省は目下台湾で働く15万9480人のフィリピン人の安全確保に努力中だ」「この困難なときに、我々はいつでも、出来る限りの方法で台湾のフィリピン同胞を支援する準備がある」と投稿した。 蔡英文総統らはこうした、支援にXなどを通じて一つひとつ感謝のメッセージを返している。