民進党代表選に蓮舫・前原・玉木の3氏が立候補 掲げる政策は?
民進党の代表選(15日投開票)が2日告示され、蓮舫代表代行、前原誠司元外相、玉木雄一郎衆院議員の3氏が立候補を届け出た。同日午後の共同記者会見で、蓮舫氏は「すべての世帯が納税に納得できる行政サービスが返ってくる政治を」、前原氏は「人への投資が経済成長につながる社会をつくるため先頭に立ちたい」、玉木氏は「リベラル保守を民進党の一つの大きな考えにし、選択肢になる政党にしたい」などと訴えた。 【中継録画】民進党代表選 立候補者の3氏が共同記者会見
「ガラスの天井」「人への投資」「こども国債」
今回の代表選で真っ先に出馬表明をしたのは蓮舫氏。共同会見では「私が目指すのは新世代の民進党。ガラスの天井(主に女性の昇進を妨げる障壁)を打ち破り、信頼を取り戻してわくわくする政治を作る。代表となり党を引っ張りたい」と意欲を示した。対案を提示して政権担当能力を示す、全員が力を発揮できる体制の構築、政策分野ごとの調査会の設置、という3点を通じて新世代の民進党づくりを目指す。 自らを「旧民主党政権の戦犯だと思う」と語ったのは、外相などを歴任した前原氏。7月の参院選では、ある青果店経営者から「あれだけ期待したのに民主党政権はなんだったのか」と失望感を告げられたといい、国民の信頼回復に力を尽くす思いを強調した。政策では「All for All(みんながみんなのために)」という考え方を掲げ、格差是正のために必要な財源を、国民全体から少しずつ集める形を提案する。 玉木氏は、財務省出身で、現在は党の国会対策副委員長を務める。「もう一度、国民に信頼され選ばれる政治集団をゼロから作り直したい。それが最大の出馬理由」と主張。今回の代表選は、「大きな国家ビジョンを戦わせる選挙にしたい」と語った。政党シンクタンクの設立などの施策を掲げるほか、教育と子育て支援策を大幅に拡充するため、財政法を見直して「こども国債(仮称)」の発行を提案した。 質疑応答で、安倍政権との経済政策の違いを聞かれた蓮舫氏は「最大の違いは分配のあり方。アベノミクスが3年9か月で結果が出ないのなら、どこに分配すべきかを考え直すべきだ」、前原氏は「アベノミクスは破綻への壮大な実験。All for Allの考え方で、人への投資から消費の喚起に至る好循環を作りたい」、玉木氏は「日本の一番の課題は人口減少だが、自民党は放置してきた。われわれは借金してでも子ども支援を大胆に行いたい」と述べた。 他の候補との違いについて、蓮舫氏は「最大の違いは女性だということ。ガラスの天井に向き合う人に元気を与えたい」、前原氏は「失敗の経験をたくさんしていること。経験と失敗から学んだ統合力を引き出せるのは私」、玉木氏は「田舎に住んでいること。地域をどう元気にするのかに思いを持って取り組んできた」などと訴えた。 民進党の代表選は党名変更後で初めて。15日の臨時党大会では、3候補が演説した後、国会議員、国政選挙の公認内定者が投票。郵送の地方議員、党員・サポーター票と合わせて、新代表が決まる。 (取材・文:具志堅浩二)