ANAの787初号機、トリトンブルー塗装の運航終了 4月からAirJapan仕様に
全日本空輸(ANA/NH)のボーイング787-8型機のうち、世界初の商業運航を実施した初号機(登録記号JA801A)が3月2日未明、羽田空港を出発し、整備作業を実施する中国・厦門(アモイ)へ向かった。同じくANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)が運航する新ブランド「AirJapan」仕様機に改修するためで、「トリトンブルー」と呼ばれるANAの通常塗装での商業運航は、1日夜のソウル(金浦)発羽田行きNH868便で幕を下ろした。 【写真】ANAの787初号機のトリトンブルー最終便となったソウル発NH868便 ANA塗装最終日となった1日は、羽田-金浦線を2往復4便運航。最終便の羽田行きNH868便はソウル金浦国際空港を現地時間午後7時55分に出発し、羽田の106番スポットへ午後9時50分に到着した。この時点での総飛行時間は2万6343.58時間、総サイクル数は9138サイクルだった。 アモイへのフェリーフライトNH9411便は、2日午前2時30分すぎに羽田の103番スポットを出発。D滑走路(RWY05)を午前2時47分すぎに離陸した。 JA801Aは2011年8月6日製造。製造番号(MSN)は34488、ボーイングが製造管理で使用している「ラインナンバー(LN)」は8番(LN8)で、エンジンはロールス・ロイス製トレント1000-A2(推力2万8940kg)を2基搭載し、同年9月25日に受領した。中距離国際線仕様機で、座席数は就航当初は2クラス264席の暫定国内線仕様だったが、2013年10月の改修で222席に変わり、2015年11月の改修で現在の240席(ビジネス42席、エコノミー198席)になった。シートマップでは「78M」とされている。 最初の商業フライトは2011年10月26日の成田発香港行きチャーター便のNH7871便で、世界初の787による運航便となった。中距離国際線仕様機だが、当初は国内線に暫定投入していたため、最初の定期便は同年11月1日の羽田発岡山行きNH651便となった。 導入当初は、2号機(JA802A)と共に機体後方に濃紺のアクセントをあしらった特別塗装で運航していたが、2017年2月に現在の通常塗装に塗り替えられた(関連記事)。787では初の再塗装となった。 特別塗装は白いボディーに濃紺のアクセントが入ることから、航空ファンからは“鯖”(サバ)塗装とも呼ばれ親しまれてきた。前部胴体に「787」と大きく描き、後部の藍色に交差するラインは「ANAのネットワーク」と「ANAのプロダクトサービスブランド」を表現した。 当初の予定では、2月29日の羽田-長崎線で国内線運航を終え、3月1日未明にアモイへ向かう予定だった。29日は長崎を午前8時25分に出発する羽田行きNH662便、羽田午前11時5分発の長崎行きNH663便、長崎午後1時55分発の羽田行きNH666便の計3便に投入された。 国内線最終日の3便は、いずれも定刻通りに出発。到着時刻は定刻よりNH662便は2分、NH663便とNH666便は1分の早着だった。 AirJapan仕様に改修後の座席数は、エコノミークラスのみの1クラス324席で、4月からAirJapanブランド便の運航に投入される。同仕様の787-8を2025年度までに6機体制とする計画で、すべてANAが運航していた機体を改修する。
Tadayuki YOSHIKAWA