【ワシントン＝冨山優介】米大統領選民主党候補のカマラ・ハリス副大統領（５９）の主治医は１２日、「ハリス氏は極めて健康で大統領の職務を遂行できる心身の強さを備えている」とする書簡を公表した。共和党候補のトランプ前大統領（７８）の陣営もこの日、トランプ氏は健康だとする声明を出した。

トランプ氏（左）とハリス氏＝いずれもＡＰ

　公表された書簡によると、ハリス氏は季節性アレルギーとじんましんを患っているが症状は改善している。毎日運動して健康的な食事を取っており、血圧や心拍数も正常だった。

　ハリス氏はこの日、報道陣に「大統領候補はトランプ氏を除いて誰もが医療記録を公表している」と述べ、トランプ氏の情報開示が不十分だと批判した。

　米メディアによると、ハリス陣営にはトランプ氏が高齢であり、能力を不安視する声があがっていることに有権者の目を向けさせる意図があるという。

　トランプ陣営はこの日、２０２３年１１月にトランプ氏の主治医が出した書簡と、今年７月に銃撃を受けた後にトランプ氏の経過をみた、大統領時代の主治医だったロニー・ジャクソン下院議員が出した書簡を再び公開した。

　２３年の書簡は「トランプ氏の健康状態は良好で認知機能も優れている」と説明している。ただ、検査の具体的な数値は示されていない。ジャクソン氏の書簡は、７月２０日時点でトランプ氏の状態は良く、銃撃から回復していると伝えていた。

　トランプ陣営の広報担当者は声明で「トランプ氏が軍最高司令官として完璧で優れた健康状態にあると結論付けている。ハリス氏のスケジュールは（負担が）軽く、トランプ氏ほどスタミナがないからだ」と強調した。