【選手権・注目タレント#16】“覚悟”の軌跡。静学を引き締める代表守護神
12月28日から来年1月8日まで首都圏内で熱戦が展開される第102回全国高校サッカー選手権。この冬の檜舞台でヒーローとなるのは誰か――。サッカー専門新聞エル・ゴラッソ発行「高校サッカー名鑑」の協力の下、注目タレントをピックアップした。必見の注目選手を紹介する。 【16】GK中村圭佑(静岡学園/3年) 1年生のころはベンチで、2年生になってからはピッチの上で、力のある先輩たちが悔し涙を流す姿を見つめてきた。最高学年を迎えキャプテンに指名された中村圭佑は、覚悟を決める。「ダメなところをそのまま放置しない」。「全員でやることをしっかり徹底する」。時には激しく言い合い、厳しく要求し合う中で、チームは妥協を許さない集団へと変貌していく。「圭佑を中心に練習からやるところはちゃんとやれている」と話したのは、エースの神田奏真。今予選でも全国きっての激戦区をたくましく勝ち抜いた陰に、中村を軸に築き上げてきた競争力の高い環境があったことは強調しておきたい。 無論、GKとしての能力に疑いの余地はない。187cmの長身を生かした空中戦の強さに加え、積極的にビルドアップに参加する足元のうまさも兼備。来季からの東京V_加入も内定している。FC東京U-15むさし時代のチームメートであり、そろって年代別代表に選ばれることも多い親友・小林将天(FC東京U-18)もFC東京のトップ昇格が内定。将来は東京ダービーでの“再会”を誓う。 ただ、その前に手にするべきなのは、『日本一の守護神』という称号。「いまはチームの勝利に貢献することしか考えていない」と言い切る中村が、伝統のスタイルを貫く静岡学園を最後方から引き締め続ける。 (文=土屋雅史)