「ツール・ド・北海道」死亡事故を目の当たりにした選手がレースを続ける決意「こんなすばらしい競技を辞めるわけにはいかない」
この3日前、レース中にほかの選手の転倒に巻き込まれて大けがをしました。 目標とする大会まであと2週間。 プロロードレーサー 島野翔汰さん(23) 「一番最悪なケースなんですけど、起きてしまったことはどうしようもないんで…」 退院からわずか2時間後、島野さんの姿はいつもの手稲山にありました。 プロロードレーサー 島野翔汰さん(23) 「痛いし、事故で体がゆがんでいるというか、言葉で言い表せない、よくない感じがあるんですけど、思った以上に走れてよかったです。目標は変わらず優勝です」 そしていよいよ…大会当日を迎えます。 国際的な自転車競技大会、ニセコクラシック当日。 恋人の笠井さんも、応援に駆け付けました。 プロロードレーサー 島野翔汰さん(23) 「緊張してるからいつもより心拍数高いです」 死亡事故の影響もあり、今年のニセコクラシックでは、ほぼ全てのコースが両方向通行止めとなりました。 150キロのロードレースがスタート。 400人が競う中、レース序盤から中盤にかけて、常に先頭集団に位置付ける島野さん。 終盤には、トップと1分以上の差をあけられますが…。
レース開始からおよそ3時間45分。島野さんを含めた10人ほどの集団が、いよいよラストスパートの400メートルの登り坂に。 結果は総合3位。1位との差は、わずか5秒でした。 プロロードレーサー 島野翔汰さん(23) 「目標は優勝だったので、悔しいですね。優勝者の背中が見えたのがなおさら悔しい」 笠井玲那さん 「悔しいと思うんですけど、まだこのあとあるので、楽しんでほしい」
しかし、島野さんは19歳から34歳までの年代別の部門では見事優勝。 若きライバルたちとの戦いを制しました。 プロロードレーサー 島野翔汰さん(23) 「今日は(死亡事故は)一切頭によぎることなく、自分の走りに集中できました。克服できたかなと思います」 これからの抱負については…。 プロロードレーサー 島野翔汰さん(23) 「マイナースポーツは経済的に厳しい部分もあるので、競技と仕事を両立しながらやっていける姿を見せていくことは、いろんな人の自信につながると思うので、そこの両立を目指して、変わらずやっていきたいと思います」 死亡事故が起きたツール・ド・北海道は今年の大会は中止となりました。 有識者による安全対策が検討されていて、交通量が少ない道路では両側を自転車が通行できるようにすること、警備体制の強化などが、話し合われています。 ニセコでは、2026年8月に、ロードレースの世界最高峰の大会「グランフォンド世界選手権」の開催が決まりました。 アジア圏として、初の開催です。 島野さんは北海道代表としての出場を目指しています。
北海道放送(株)
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