400年の歴史誇る「奥間大綱引き」 6年ぶりに開催 雨の中で熱戦20分、結果は 沖縄・国頭村
【国頭】約400年の歴史を誇り、集落の五穀豊穣(ほうじょう)と区民の無病息災を願う国頭村の奥間大綱引き(同実行委員会・大田博信会長)が9月17日(旧暦8月十五夜)、奥間小学校グラウンドで開催された。綱引きは豊年祭と隔年ごとに行われてきたが、新型コロナの影響により6年ぶりに開催された。雨が降り出しずぶぬれになりながら足元はぬかるみ、必死に縄を引いた。水入りが入る熱戦で、20分で決着がつかず、6年前と同じく引き分けとなった。 【写真】十五夜の満月の下でちょうちんをぶつけ合った「ガーエー」
綱引きに使用する親綱は、県内でも珍しく、より強固な綱にするためにイルカンダのツルなどをワラで巻き込む作業が施された。「親綱」が総延長110メートル(55メートル8本2組)、「子綱」が(13メートル15本2組)、カヌチ用化粧縄は南軍25メートルの14本、北軍25メートルの12本。 スネー・ちょうちん行列は、両軍隊長が先頭に立ち、親ちょうちん、若按司と付き人2人の乗った台座、子ちょうちんの順で南北合わせて約300個のちょうちんを引き連れ相手陣に向かって練り歩いた。両軍が近づくにつれ「サーヤ」のかけ声を連呼し、中央で顔を合わせ力を誇示。そのしぐさを3度繰り返した。最後に大綱を一周して土気を高め、陣地に戻り本番に備えた。 綱引きは午後9時30分にスタートした。カヌチ棒が入り、南北のガーエーが繰り広げられた後、ぬかるんだグラウンドで綱を引いた。 綱引きの前には、フラダンス、国頭村青年会エイサー、区の女性たちによる手踊り奥間エイサー、奥間区獅子舞などの舞台もあった。
大田博信実行委員長(奥間区長)は「若い人たちが先輩の教えを守りながら頑張って見事な綱が作れた。他の地域も含め多くの激励を頂いた。皆さんから寄せられたご厚情に感謝し、伝統芸能の発展、集落の発展につなげたい」とあいさつした。 (新城高仁通信員)
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