濵田崇裕&神山智洋共演のミュージカル『プロデューサーズ』開幕! 取材会の模様をレポート
1968年の同名映画をもとに、2001年にメル・ブルックスが脚本・作詞・作曲を務めたブロードウェイで大ヒットしたミュージカル『プロデューサーズ』。 本公演では翻訳を徐賀世子、訳詞を森雪之丞が担当し、スーザン・ストローマンのオリジナル演出・振付をベースとし、ジェームス・グレイが日本版の演出と振付を行った新演出版となる。 【全ての写真】濵田崇裕&神山智洋共演のミュージカル『プロデューサーズ』取材会より(全12枚) 落ちぶれた陽気にプロデューサーと気弱な会計士がタッグを組み、ブロードウェイで一攫千金を狙う!?というエンタメと友情に富んだ物語だ。 落ち目のプロデューサー、マックス・ピアストリックを濵田崇裕、マックスに振り回される気弱な会計士を神山智洋が演じる。 濵田、神山の他、希望に満ちた女優志望のウーラを演じる王林、演出・振付のジェームス・グレイが登壇した取材会の模様をお伝えする。
素晴らしいカンパニーだと毎日実感
まず、初日を控えての気持ちを聞かれ、濵田は初のミュージカルということだが「楽しみにしておりました」と笑顔を見せた。 続いて「(WEST.が)10周年というタイミングでメンバーの濵ちゃんと2人でミュージカルをやれるということはすごく安心感がありました。隣にいてくれるとすごく心強い」と神山。「関西人が多いので、関西弁が飛びかっていて、東京にいるのに関西にいるみたいな感覚になった」と良い、和やかな稽古場の様子を表した。 濵田と同じく初ミュージカルの王林は、「すごく恵まれた環境と、スタッフさんたちと、みなさん、本当に豪華で、おもしろい作品」。「この作品の稽古をしていたらいつの間にか元気になっていました。本当に最初がこの『プロデューサーズ』でよかったな、と思っています」と笑顔を見せた。 ジェームスは「初ミュージカルの方がいるなんて信じられないぐらい、才能がある、持ち前のものをたくさん持ってきてくれている」と評価。 「この作品に長く、何度も携わっていますが、全く異なる新作、オリジナルの作品のように考えています。このユニークなカンパニーならではの作品になっています」と自信を見せた。 さらに俳優の魅力について問われると、「美しく、かつおもしろい役者さんはなかなかいない。もちろんそれだけじゃなく演技も歌もダンスも才能あふれる3人です。一生懸命、取り組んで、楽しい時間を過ごさせてもらっています」とジェームス。 それを受け、「ジェームスは人としてすごく尊敬できる人」と濵田。ジェームスの振る舞いのおかげで稽古場には笑顔があったと語った。 神山は、ジェームスの『プロデューサーズ』への思いを「ひしひしと感じていた」そう。特に通し稽古のときに泣いていたジェームスが泣いていた様子が印象に残っていたという。 ジェームスは涙した理由を聞かれ、「ショービジネスって難しいと思うんです。オンタイムできちんと仕上がること自体が奇跡的」。しかし、たまに全ての要素が揃うこともあるとも。「この3人の素晴らしいパフォーマーならびに、他のキャストさんは本当に才能を持っている。通し稽古を見たときに、そのすばらしさに圧倒されて、初めてこの作品に携わったときのことを思い出した」と振り返った。 「カンパニーのみなさんはお稽古のたびに支え合い、助け合い、そして助言しあって、そういうサポートというのが目の見えて素晴らしいカンパニーだと毎日実感しています」と、思いを語った。 また、ジェームスからそのコンビネーションについて絶賛された濵田と神山。この1カ月の稽古期間で新しい発見があったか問われ、2人とも悩んだ様子を見せたあと、濵田は神山の楽屋での行動をあげた。「楽屋に持参のコロコロを持ってきて掃除しているとこ。こんなに綺麗にする人なんだ!って(笑)」 一方、神山は「稽古場で体を使った表現をするときに、条件反射で同じ動きをしてしまうんです」とまさにコンビネーションが発揮されているエピソードも。「それは10年、20年の付き合いがあるからこそなせる業なのかな、と思いますし、お互いが分かってるから最初から遠慮なしにできてしまう。こうしたいんだろうな、というのがなんとなく分かる」と阿吽の呼吸を実感している、と語った。これには、濵田も頷き、「勝手にシンクロしていたりするし、呼吸が合うんですよね」と息が合った演技ができていることを明かした。 最後に、ファンに向けてのメッセージを聞かれると、濵田は「来てくださる皆さんを別空間にお連れして、帰るときには華やかな気持ちになってもらえるよう頑張りたいと思います」と語り、9年ぶりのミュージカルという神山は「ほぼ、初ぐらい、ゼロ気持ちで始めたんですけど、濃い稽古期間だったんですよね」と振り返り、「毎日ハラハラして、でも毎日が楽しくて、このすばらしいカンパニーがステージの上でしっかりと生きて、来てくださったみなさまに感動や笑顔、胸をうつような感覚をそれぞれ届けられるような作品になっているんじゃないかな、と思います」と、手応えを語った。 取材・撮影・文:ふくだりょうこ <公演情報> ミュージカル『プロデューサーズ』 脚本:メル・ブルックス/トーマス・ミーハン 音楽・歌詞:メル・ブルックス オリジナル演出・振付:スーザン・ストローマン 日本版演出・振付:ジェームス・グレイ 翻訳:徐賀世子 訳詞:森雪之丞 出演:濵田崇裕 神山智洋 王林 新納慎也 神里優希 岸祐二 島田歌穂/友近(Wキャスト) 他 2024年11月8日(金)~12月6日(金) 会場:東京・東急シアターオーブ