土居美咲が能登の被災地で考えた「アスリートとしてできること」 現役引退後、小型重機の免許を取得
【できる人が、できることをする。これが大切】 今回2日間、被災地に足を運び、避難生活を送っている方々と触れ合い実感したのは、一回で終わらせてはいけないということ。今後も被災地に足を運んだり、継続したアクションを起こしていきたいと強く思いました。 震災当初は「渋滞がひどい。現地にボランティアに行くのはむしろ妨害」との世論もありました。実際にそのおかげで、「現地支援活動を行なう自衛隊、救急、警察、支援団体等は大変助かった」と、現地支援団体スタッフの方から聞きました。 しかし今は、震災当初の世論が浸透したことによる弊害として、現地支援活動のボランティアが少ない状況だそうです。 然るべきタイミングで、できる人が、できることをする──。 これが大切なのだと思います。 私の小型重機の免許取得も、そのなかのひとつ。 人によっては被災地に行くことだし、チャリティや募金による支援もあります。ニュースを見て知り、被災地の方たちに心を寄せることも、できることのひとつです。 今は、必要な人材を必要な場所に派遣できるよう、体制も整ってきているそうです。ボランティアとして現地に足を運びたい方は、ボランティア登録を行ない、然るべき手順を踏み、活動に参加していただければと思います。 「アスリートとして、できることは何か?」──。 この問いに正解はないかもしれませんが、今できる事を、できる人が。 自分に何ができるか模索しながら、今後も活動していきたいと思います。 【profile】土居美咲(どい・みさき)1991年4月29日生まれ、千葉県大網白里市出身。6歳からテニスを始め、2008年12月に17歳8カ月でプロ転向を表明。2015年10月のBGLルクセンブルク・オープンでWTAツアーシングルス初優勝を果たす。2016年のウインブルドンでは初のグランドスラム4回戦進出。オリンピックには2016年リオと2021年東京の2大会に出場。2023年9月末に東京都・有明コロシアムで開催された東レ・パンパシフィックオープンを最後に現役引退。。WTAランキング最高30位。身長159cm。被災地の現地の声はこちら>>「土居美咲公式Facebook」
土居美咲●取材・文 text by Doi Misaki