“レトロ可愛い”ゴミ発掘の魅力 「ゴミ拾い」=「意識高い、汚い、楽しくない」を変えるマリンアクティビティとは?
課題となっているのは、水中ゴミ拾いがきっかけで環境問題に興味を持ってくれた人の思いや行動の継続。そこでDr.blueが取り組んでいるのが、水中ゴミを活用したアップサイクルだ。元の価値よりもアップさせるリサイクルの一種で、拾ったゴミでキーホルダーやアクセサリーを作る体験ができる。 「優しい思いを忘れてほしくないため、“それを思い出させる形に残る何か”を持って帰ってほしいと思った時にアップサイクルがいいと。自分が拾ったゴミがキーホルダーなどになることで、地元に帰っても日々目に入ったり、思いが色濃く残る。ゴミ拾い=意識高い、少し変わった人がやっている、なんか楽しくない、汚い、臭い、大変という3Kみたいなイメージがあるが全然そうじゃない。本当に心の底から面白いところがたくさんあるので、楽しい側面を今後広めることで“1人の100歩より100人の1歩”を実現していきたい」
リサイクルは一般的に、原材料に戻して資源として再利用(例:古紙を再生紙に)するが、ダウンサイクルは価値を下げて資源を再利用(例:古着を雑巾に)、アップサイクルは別の用途のものに作り替え付加価値を与える(例:ゴミをキーホルダーやアクセサリーに)。 ダウンサイクルは手軽にできるが元の製品より価値を下げるため、比較的寿命が短くなる場合が多い。対してアップサイクルは価値が上がるので長く使える可能性が高くなることから、注目されている再利用の形だ。 The HEADLINE編集長の石田健氏は、さらなる課題を提示する。 「アップサイクルは小学校などで学ぶリサイクル活動のイメージとも近く、取り組みやすいため非常に素晴らしい。一方で、全体の環境問題を考えた時に、やはりそもそも企業の大量生産・大量廃棄というモデルに対して声をあげないまま安いからとファストファッションを安易に買っていないだろうか。そしてその一方で、『ゴミ拾いとリサイクルは大事だよね』という考えが、ある種いびつな形で両立してしまっている状況を問題視したほうがよい。もっと大きなインパクトを与えてこの気候変動、環境問題を解決するには、やはり企業側が構造を是正しなくてはいけないのではないか、と消費者から声を上げることが根本的には大事だ」 さらに石田氏は「『ゴミをポイ捨てしちゃいけない』ということも10年ほどで意識変革できた。だからこそ、現在は『(ファストファッションなどは)安いからしょうがない』という意見も全体の半分ほどいるかもしれないが、10年ほど言い続けていたら『大量消費は良くないよね』という価値観に変わっていくかもしれない。メディアが訴えかけることも大事だが、我々もDr.blueのような取り組みを応援しつつ声を上げるべきだ」と述べた。 (『ABEMAヒルズ』より)