女優・黒木華 演技のこころも〝アイミタガイ〟何だか温かくなる不思議な空気、親の笑顔が原点 歌声披露も「次はもうやりませんよ(笑)」
「幼いころは、親にほめられるのがすごくうれしかったんですよね。幼稚園のころかな。この自分の演技を喜んでくれる人がいるっていうことがうれしくて。最初はそういうところからでした。そこからだんだんと面白さに気づいていくといいますか…。その魅力というのは、いろんな人の人生を疑似体験できるっていうところなんだと思いますね」
実は本作のエンドロールで流れる「夜明けのマイウェイ」はシンガー・ソングライターの荒木一郎が作詞作曲を手がけた1970年代の名曲だが、今回はなんと彼女が歌っている。もともと歌う予定だったのか。
「いやいや、撮影が終わってから監督に言われて、急に歌うことになったんですよ。もちろん最初はいやだって断りましたよ。でも、やらざるを得なかったんです(笑)。歌のプロではないので、歌唱指導の先生に助けていただいて、なんとか形になったって感じですね。え、次また、歌の話が来たら…って、今度は言われてもやりませんよ(笑)」
■黒木華(くろき・はる) 女優。1990年3月14日生まれ、34歳。大阪府出身。京都造形芸術大学在学中の2010年にNODA・MAP公演「ザ・キャラクター」にアンサンブルとして初舞台を踏む。同年9月のNODA・MAP番外公演「表に出ろいっ!」で娘役オーディションを経て野田秀樹、中村勘三郎との3人芝居でヒロインの娘役で舞台に立った。その後は、「小さいおうち」(14年)でベルリン国際映画祭銀熊賞を日本人最年少で受賞するなど数多くのドラマや映画で活躍を続けている。今年はNHK大河ドラマ「光る君へ」にも出演。現在、映画「八犬伝」が公開中。
ペン・福田哲士 カメラ・酒井真大